いつだったかな
君と最後に歩いた遊歩道
覚えてるかな
十五夜の月の元で
二人で交わした約束
今はもう、思い出となった君の姿が
あの日の月と重なって
今も尚、薄れゆく記憶のなかで
道標のように一際輝くよ
きっと僕も行くから
もうすぐそっちへ行くから
深夜2時に月で会おう
歩き疲れるまで語り明かそう
いつだったかな
君と最後に歩いた遊歩道
覚えてるかな
十五夜の月の元で
二人で交わした約束
今はもう、思い出となった君の姿が
あの日の月と重なって
今も尚、薄れゆく記憶のなかで
道標のように一際輝くよ
きっと僕も行くから
もうすぐそっちへ行くから
深夜2時に月で会おう
歩き疲れるまで語り明かそう
あの日の出来事について、私は今でも頭を悩ませている。
冴えない頭をツンと刺激するような夏の日差しも、憂鬱を押し固めた満員電車での通勤も、何時もと同じ朝。
ホームに着き、人々が電車から一斉に吐き出される。その流れにのって、私も改札まで向かう。鬱屈とした気分とは裏腹に、駅舎から覗く空は晴れ渡り、かえって私に下を向かせる。
その時、ふと飛び込んできた些末な違和感。
ありふれた光景のはずなのに、何かが、何時もと違う。
進むにつれて徐々に鮮明になるその違和感に、私は一抹の胸騒ぎを覚えた。
私が得たいの知れぬ感覚に気を散らしていると、あわや緑の物体を踏みそうになった。
まさか芋虫かとおののいたが、それは枝豆の殻であった。
その殻を見た瞬間、閃くものがあった。
そして、来た道を振り返る。
―やはりそうだ。
改札からここまで、等間隔に枝豆の殻が落ちていた。
それが、今までの違和感の正体だったのだ。
そして、先を見ると、やはり同じように等間隔に枝豆の殻が続いている。
まるで、何かの道を示しているようだった。
―一体、誰が何のために?
奇しくも、殻は私の通勤ルートと重なっている。
私は殻のあとを追って歩き始めた。
殻は面白いほど一定の間隔で落ちている。
そして、最後に見つけたのは、ある居酒屋の前だった。
枝豆の殻を見たのは、後にも先にもその日だけである。
あの殻の意味するものは何だったのか。
どんな人物が落としていったのか。
私は今でも、考えてしまうのだ。