NHK契約者の個人情報(営業秘密)を不正に取得することが不正競争防止法違反などにあたるとして、NHKがN国党の元党首に損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和6.5.14)

 

判決は、不正競争防止法違反(2条1項7号)などを認めた。

この判決で注目すべきことは、威力業務妨害による損害額である。

 

まず、本件業務妨害行為は、威力を用いて原告の業務を妨害する行為であると評価することができ、これにより原告の営業上の利益を侵害したと認められるから、同行為は故意による不法行為を構成する。

 

そして、本件取得行為及び本件業務妨害行為は、原告の個人情報の体制についての信用を毀損するものであり、その態様は犯罪行為を構成する可能性がある悪質なものといえること、

 

実際に、受信契約者び中には、本件業務妨害行為を受けて原告の営業秘密管理体制を批判する者がいたことが認められること、

 

本件取得行為や本件業務妨害行為は、原告の営業秘密の管理体制の不備により発生したものではなく、

 

原告の業務委託先の従業員による加害目的での漏洩に起因するものであったことといった事情のほか、原告の信用低下の度合いに関する立証の程度など、

 

「本件に顕れた諸事情を総合考慮し、原告の信用毀損による損害額について100万円と算定するのが相当である。」としている。

 

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