4月から施行された改正不正競争防止法により、適用除外となるケースにコンセント制度による登録を受けた登録商標の使用が追加された。

新たに創設された規定(19条1項3号)は以下のとおりである。

 

第19条(適用除外)

 

三 第2条1項1号及び2号に掲げる不正競争

 

商標法4条4項に規定する場合において商標登録された結果または同法8条1項のただし書、2項ただし書若しくは5項ただし書の規定により商標登録された結果、同一の商品若しくは役務について使用(同法2条3項に規定する使用をいう。)をする類似の登録商標(同法2条5項に規定する登録商標をいう。)または類似の商品若しくは役務について使用する同一若しくは類似の登録商標に係る商標権が異なった商標権者に属することとなった場合において、その一の登録商標に係る商標権者、専用使用権者または通常使用権者が不正の目的でなく当該登録商標を使用する行為

 

上記の規定は、4月から改正商標法の施行によりコンセント制度が導入されたことに伴うものである。

 

商標法では、他人の登録商標(以下「先行登録商標」という。)またはこれに類似する商標であって、当該商標に係る指定商品若しくは指定役務またはこれに類似するものについて商標登録出願をした場合には、商標登録を受けることができない旨が規定されている(4条1項11号)。

 

今回の改正により、このような商標であっても、先行商標権者の承諾を得ており、かつ、先行登録商標と出願商標との間で混同を生ずるおそれがないものについては、商標登録を可能とする制度(コンセント制度)が導入された。

 

その影響で、先行登録商標と後行登録商標の2つが併存することになり、場合によっては、一方の商標が周知性または著名性(不正競争防止法2条1項1号・2号)を獲得することもあり得る。

 

そこで、商標法4条4項により後行商標が登録され、その後、一方の先行登録商標または後行登録商標が周知または著名になった場合、他方の登録商標における商標権者、専用使用権者及び通常使用権者が不正の目的なくその登録商標を使用することは、不正競争行為にならないとするものである。

 

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