公正取引委員会は、インターネットに接続するコネクテッドTVに関する報告書「コネクテッドTV及び動画配信サービス等に関する実態調査報告書を公表した。

 

 

上記の報告書には、ユーチューブなど動画配信サービスに関する独占禁止法・競争政策上の考え方が示されている。

 

その中で、「コンテンツの対価等を巡る課題について」において「独占禁止法上の考え方」(119頁)として、以下のことが明記されている。

 

以上を踏まえ、取引上の相手方に優越している動画配信サービス提供事業者(または動画共有サービス提供事業者)が、その地位を利用して、取引の相手方であるコンテンツプロバイダーに対し、

 

一方的に著しく低いコンテンツの対価を設定することにより、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合は、独占禁止法上問題(優越的地位の濫用)となる。

 

この判断(一方的に著しく低いコンテンツの対価を設定しているか否か)にあたっては、コンテンツの対価の設定にあたり、

 

取引の相手方であるコンテンツプロバイダーと十分な協議が行われたかどうか等のコンテンツ対価の決定方法のほか、

 

他のコンテンツプロバイダーに対するコンテンツ対価と比べて差別的であるかどうか、通常のコンテンツ対価とのかい離の状況、動画コンテンツの需給関係を勘案して総合的に判断する。

 

このように、アマゾンやグーグルなど動画配信サービス提供事業者がコンテンツ対価を一方的に著しく低く設定することは、独占禁止法違反(優越的地位の濫用)にあたるとしている。

 

さらに、「競争政策上の考え方」(120頁)として、以下のようなことが明記されている。

 

独占禁止法違反行為の未然防止の観点からは、コンテンツの対価については、動画配信サービス提供事業者とコンテンツプロバイダーの間における十分な交渉を通じて設定されることが望ましいといえる。

 

そのため、レベニューシェア型契約の場合だけではなくフラット型契約の場合にも、動画配信サービス事業者は、契約更新時やシリーズ作品または類似の作品等の契約にあたり、

 

対価についての適切な交渉に必要な範囲で、当該コンテンツに係るユーザーによる視聴状況等に係る情報を提供することが望ましい。

 

それゆえ、約款においてコンテンツプロバイダーがアクセス数などのデータの開示を求めることができる旨を設けることも必要かと考えられる。

 

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