詳しくは今日のブロゴスに掲載された郷原信郎氏の「業務上過失致死傷罪への“組織罰”導入で問われる山下新法相の真価 」という論稿を見ていただきたいのだが、端的に言って、私は郷原氏のこの提案を支持する。
長年この問題に関わってきておられたようで、郷原氏の提案は周到である。
コンプライアンス法制の実効性を担保するためには、何らかの意味で法人罰制度を導入する必要があるのではないだろうか、と個人的には思ってきたが、全面的に法人罰制度を導入することになると、企業の経済活動が萎縮することになり、経済団体が猛反対するだろうから提案すること自体不可能だろうと思ってきたが、郷原氏は業務過失致死傷事件に限って両罰規定を設けることで、当面のハードルを越えようとされている。
いずれは、一般の企業犯罪についても法人の刑事罰を問わなければならない、という時期が来るように思うが、今はそんなことを口にすれば袋叩きにあってしまうだろうから、世論の理解を得やすい業務上過失致死傷事件に限って両罰規定を導入しようというのは、なかなかの知恵である。
まあ、それでも反対する人は、あらゆる理屈を述べて潰しにかかるはずである。
私が、いいんじゃない、などと言っても何の影響力もないだろうが、とにかく一般の方々がこの問題に関心を持っていただくのはいいことである。
憲法9条の改正よりは、実現の可能性が高い。