どうやら止めに入った方が反って大きな傷を負い、亡くなられてしまったようである。
被害に遭われて亡くなられた勇敢な男性のご冥福を心からお祈りし、また負傷されたその他の被害者の方々に見舞いを申し上げたい。
凶行に及んだ男性は、相手は誰でもよかった、などと供述しているようである。
実に理不尽な事件である。
乗り鉄のことを書いたばかりなのに、これでは新幹線に乗る時も辺りをよく見回して不審な乗客が乗り合わせていないかどうか、いざと言う時に自分の身が守れるような体制になっているかどうか、自分が座っている座席が少しでも被害を避けることが出来るような座席かどうか、いざと言う時に避難しやすいかどうかなどをよくよく確認しておかなければならないことになる。
これまでは漠然と日本の公共交通機関は安全で、安心だなどと思っていたのだが、もはや新幹線でも安心は出来ない、という時代に突入してしまったようである。
これでは、とても旅情に浸りきることなど出来ない。
こういう事件が発生する確率はそれこそ何百万分の一、何千万分の一ということかも知れないが、いつ、どこで、どんな事件が起きるか分からない、というところが実に恐ろしい。
出来るだけの知恵を駆使して、同種事件の再発を防いでいかなければならない。
乗車券の購入時に身分証明書の提示を求めたり、身分証明書の常時携帯を義務付けたり、あるいは精神に破綻を来していると認められる挙動不審者の乗車を拒否したり、警察官や警備員の配備を義務付けたり、旅行者に対して防具の携行を奨励したり、防犯カメラの設置を促進したり等、同種事件の再発を防止するための施策についての提言がこれから各方面からなされて行くことものと予想されるが、あらゆるリスクを完璧に除去することはまず不可能と言っていいだろう。
こういう事件に遭遇することがあり得ることを想定して、かつて自民党の衆議院議員として犯罪被害者等基本法の制定や被害に遭われた方々に対する補償給付の充実に多少なりとも貢献できたことが、せめてもの救いだ、と申し上げておいていいのかも知れない。
大変な時代になってしまった。
もっとも、だからと言って、新幹線や飛行機に乗ることを止めるつもりは、さらさらないが・・。