この先柳瀬氏にどういう運命が待ち受けているのか分からないが、柳瀬氏はまさに公務員の鑑とも言うべき優秀な官僚の一人だということは認めておきたい。
優れた官僚は、決して上司を貶めるようなことはしない。
自分に与えられた仕事は、完璧にこなす。
しかも、決して矩を超えない。
柳瀬氏が首相秘書官としての仕事を忠実にこなしていたことは、愛媛県の文書から十分感得出来る。
見事なものである。
加計学園の年来の願望である獣医学部新設を如何にして実現するかという方策のあれこれについて実に懇切丁寧に指導しているが、その一つ一つが極めて的確で、柳瀬氏のアドバイスは加計学園にとっても、愛媛県にとっても、今治市にとっても天からの慈雨のように受け止められただろうと思う。
首相秘書官がそう言っているのだから、そのとおりに動いていれば必ずいい結果が出津だろうと思わせるようなありがたいアドバイスである。
へー、首相秘書官ってこんなに親切なの、と驚いてしまうほどだが、如何なるコンサルタントのアドバイスよりも柳瀬氏のアドバイスには価値がある。
現に愛媛県や今治市、加計学園は柳瀬氏のアドバイスどおりに動いたおかげで獣医学部の新設が認められたのだから、柳瀬氏のアドバイスが如何に的確だったか、ということが分かるはずだ。
さすがに、首相秘書官は有能である。
私なども時たまこの種の相談を受けることがあるが、私にはここまでの絵図は描けない。
当らずとも遠からず、ぐらいのアドバイスは出来ても、肝腎のところで大事な知恵がないから、私のアドバイス通りに動いてみてもまず結果は出ない。
官邸で3回も加計学園の担当者と会っていたようだから、柳瀬氏のアドバイスはそれこそ微に入り細にわたって的確なポイントを突いていたということだろう。
何故そこまで親切にアドバイスをされたのだろうか、という疑問は残るが、柳瀬氏はそこまでするのが首相秘書官としての自分の役割だ、と思っていたのかも知れない。
柳瀬氏が安倍総理から重用されるのは、不思議でも何でもない。