何事も引き際が大事 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

ご本人はご自分の発言が事務担当者にとってどのくらい重いものに映るか、ということについてまったく無関心だったのだろう。

結構丁寧に、かつ上手に答弁されるものだ、と見ていたのだが、知らず知らずのうちに独り善がりに陥っておられたのだと思う。

野党の野次に激しく反応し始めた頃からどうもおかしくなっていた。
ご自分の感情の赴くままに自分の思いを爆発させるようになってしまっていた。

ご自分の感情をコントロールできなくなっていたのだから思い切って休んでしまっておけばあの発言をすることはなかっただろうに、と思うが、安倍総理にはそういうことが出来なかったようである。

安倍総理の痛恨のミスだろうと思うが、興奮のあまり発した安倍総理のあの一言が財務省の方々のささやかな理性を吹き飛ばしてしまったようだ。
理財局長の佐川さんという方は見るからに小心そうで、政治家の逆鱗に触れるようなことは出来そうにもない。
安倍総理のあの剣幕に驚いて、一切合財隠してしまえと思ってしまったに違いない。

心臓に毛が生えたような豪傑肌の官僚なら決裁済みの文書を廃棄しようとしたり改竄しようとしたりせず、あるがままの姿を示して、何が悪い、このどこが悪い、と開き直るところだろうが、理財局の官僚には小心な人が揃っていたのだと思う。

安倍総理の国会での答弁に反しそうな文言のある文書を廃棄したり書き直したりして、とにかく表面を取り繕おうとした、ということだろう。

この馬鹿者がー!、と怒り出す人が普通なら一人や二人はいるはずだが、財務省の理財局にはいなかったようである。
気の毒だが、組織の末端にいて決裁済み文書の改竄に手を染めてしまった職員が精神のバランスを失って結局自死を選ぶことになった。

安倍総理には自分が圧力を掛けたつもりはないのだろうが、安倍総理のあの答弁は役所にいる人にとっては大変な圧力になってしまう。

「私や妻が関係していたら、総理大臣や国会議員を辞める。」

昨年2月17日の安倍総理の発言である。

内閣総理大臣がそこまで見得を切ってしまうと、組織に忠実で、しかも逃げ道のない純朴な下僚の方々は、一切の文書から総理や総理夫人の関与を疑わせてしまうような文言を削除したり、書き直したり、さらには文書自体を廃棄しようとしたのだろうと思っている。

安倍総理自身は関係していない、と言い切ってもいいのだろうが、総理夫人の安倍昭恵さんが森友学園に深く関わっていたこと自体はどうやっても否定できない。
逃げようとしても逃げきれるものではない。

逃げようとすればどこまでも追いかけてくるものだ、ということをそろそろ知っておかれた方がいい。