共謀罪関連法案審議入り。さて、野党の皆さんはどれだけ世論を掴むことが出来るだろうか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

遂に、共謀罪関連法案の審議が衆議院で始まった。

野党の皆さんは共謀罪関連法案に最後まで反対に徹するようだが、現在の国会での議席数を見れば、いざ採決ということになれば賛成多数で法案は可決成立してしまう。
どんなに皆さんが皆さんの正論を述べても、与党の議員が共鳴し、支持を表明してくれるようにならないと皆さんの主張は通らない。

野党の皆さんの主張を通していくためにはどうしても世論の圧倒的な支持が必要になるが、さて野党の皆さんは世論を味方に出来るような工夫はされているのだろうか。

今国会に提出された内閣提出の共謀罪関連法案については、依然として国民の不安や懸念を十分には払拭できないようなポイントがいくつもあるのだが、野党の皆さんが懸念事項をいくら指摘しても
与党の国会議員がこれを共有してくれないと、結局は懸念は懸念のままに終わってしまう。

与党の国会議員が、それもそうだなあ、と思わず相槌を打ちたくなるような、そういう懸念を具体的かつ的確な表現で訴えかけることが大事である。

法務委員会のメンバーは基本的に真面目な人ばかりだから、理があることにはそれなりに耳を傾けるはずである。

共謀罪関連法案を成立させることで一般の国民にどういうメリットがあるのかを徹底的に追及することである。
メリットの追及を徹底的にやると、デメリットも見えやすくなるものである。

具体的なメリットが余りなくて、デメリットが矢鱈に大きいな、ということになると、この法案は今、本当に必要なのだろうか、世の中に求められているのだろうか、という議論になる。
一応のメリットもあり、成立させる必要もあるが、しかしデメリットもある、ということになれば、それではそのデメリットをどうやって解消しようか、という発想に辿り着くはずだ。

すべては、野党の皆さんの法案理解力、質疑能力、対案提案能力に掛かっていることである。
法案反対一辺倒で通してしまうのは実は結構楽なのだが、それでは、実際には得られるものは殆どない。

いい法律になるか、いい制度が出来上がるかどうかは、基本的には野党の皆さんの力量に掛かっている。

(本当は、与党の皆さんにも期待したいのだが、問題意識がない方々は多分通り一遍の質疑しかしないだろうと思っているので、とりあえず野党の皆さんに向けてメッセージを送っておく。)