私も逡巡することがある。
右へ行くか、左へ行くか。
前に進むか、後ろに退くか。
上に行くか、下に行くか。
それとも、今のところに立ち止まるか。
様々に迷いながら、しかし、決める。
決めたら、まっしぐらである。
私が逡巡する時間は、大体は30秒。
長くて3分である。
もっとも、逡巡するまでにはそれなりの時間がかかっている。
調べ物をしている時は、まったく逡巡していない。
調べるという仕事に没頭しているから、何の迷いもない。
沢山の情報を整理し、自分なりに物事の重要性や優劣を判断し、数多ある選択肢の中から幾つかを残し、多くは切り捨てる。
最後に残った数少ない選択肢を前にして、大いに迷う。
迷って、迷って、最後はエイヤッと決める。
その逡巡の時間が、30秒から3分の間である。
まもなく小池さんが決断するはずである。
選択肢は、どうやら三つに絞られたようだ。
決める時は、多分祈るような気持ちで決めるのだと思う。
どういう結論になってもいい。
決めたら、後はまっしぐらに走ることだ。
小池さんには、ためらい傷は残らないはずである。
小池さんほど潔い人は、滅多にいない。
小池さんほど勇気のある人は、滅多にいないはずである。
どうやら、若狭さんも同類である。
私が小池さんや若狭さんを買っているのは、小池さんも若狭さんも勇気がある人だからだ。