小池さんの希望の塾に入るつもりだ、と言っておられる若い方が、私のところでも学びたいと申し出て来られた。
私が教えて差し上げることなど何もないと思うが、反面教師という言葉もあるくらいだから、学ぼうと思えば誰からも学ぶことが出来るかも知れない。
ありがたい申し出だと思っている。
まあ、共に考え、共に学ぶ、ぐらいの感覚がいいと思う。
私は自分の未熟さを知っているから、せいぜいできるのは若い皆さん方に考えるヒントを提供することぐらいだろうと思っている。
答を出すのは、皆さんである。
私と同じ人生を皆さんが歩むことが出来ないのと同様、皆さんの人生を私が歩むことも出来ない。
ああ、こっちの道を歩んだ方がいいですよ、と言うくらいのことは出来ても、必ずそうしなければならないというものでもない。
決めるのは、すべてご自身だ。
私から学ぶことがあると思えば私の周りに来られればいいし、他の人から学ぶことがあると思えばその人のところに行けばいいだけのことである。
私は、あくまで皆さんが切磋琢磨する場を提供しているだけで、私が直接若い方々をしごき上げるようなことはしない。
子は父親の背中を見て育つ、という言葉があるが、まさにそのとおり。
わが家でもそうだったし、私の法律事務所でも、国会議員時代の私の事務所でもそうだった。
それなりに大勢の若い弁護士や司法修習生、さらには秘書や秘書見習いの方々を指導してきたからまずまずの教育者の一人だったと言ってもいいのかも知れないが、若い方々と比較して私が一段と優っていた、などということはない。
大したことはない。
勘違いもすれば、覚え違いもあり、知らないことも沢山ある。
ただし、それなりの経験がある弁護士として、これはちょっとおかしい、何か変だぞ、筋が悪いな、この辺りのことはもう少し調べる必要があるな、という嗅覚なり、直感の働きはそれなりにあるだろうと思っている。
言葉では簡単に言い表せらないようなもの、理屈を超えたものがそこにあることは確かだ。
教えて教えられるようなものではないが、一緒にいるとそのあたりのことが何となく分かってくる、ということはあるだろうと思っている。
私の周りに来て、損をすることはない。
私から学ぶことがあると思われれば、どうぞ遠慮されないで私のところに来られればいい。
ビヨンドXプロジェクト全体会議は、そういう場である。
学ぼうとする人にとっては、それなりに役に立つ。
なにしろ、この会議の主宰者の正式名称は、鴇田くに奨学基金ビヨンドXプロジェクト早川学校である。