私に縁がある人が次々に当選を決めたこの度の参議院選挙だが、私自身にはそれほどの高揚感はない。
いやあ、よくやった、大変な得票だ、どぶ板に徹したからこその大成果だ、と思う人もいるし、やはり組織的な応援がある人は強いな、いい団体の支援を受けられてよかったな、次もこの調子なら大丈夫だろう、と思う人もいるし、やはり無理なものは無理だった、ということかしら、それでもよく健闘したものだ、次への足掛かりにはなるんじゃないか、と思う人もいる。
皆さん、なるべくしてそうなった、というくらいの感想である。
見事なほどに、事前の予想通りの結果になっている。
共産党がもっと伸びるだろうと思っていたのが、そう大したことがなかったのが予想外ぐらいで、後は誤差の範囲内である。
埼玉選挙区の場合、共産党が場合によって民進党を食ってしまうかも知れないと思っていたのだが、腐っても鯛、民進党の方が共産党よりは集票力があることが確認できたのはよかった。
やはり人物次第ということだろう。
自民党と公明党の選挙協力も、野党の統一候補戦略もそれなりの威力を発揮した。
これも見事なものである。
自民党の支持者が本気で公明党の候補に票を回したことが如実に選挙結果に現れている。
選挙戦の第一線におられた方々はこれだけの結果を出すために大変なご苦労をされたと思うが、その大変な苦労が見事に選挙結果に現れている。
野党が統一候補を用意率するという流れの中でこれだけの成果が上がったのだから、自民党も公明党も互いに相手を粗末に出来ないということだけは明らかだ。
事前の世論調査で野党候補の方が優勢という数値が出ていたところは、事前の世論調査どおりの結果になっている。
世論調査で劣勢だと言われていた沖縄と福島で自民党の現職の閣僚がいずれも落選という結果になってしまったことは、ご本人たちの人と形を知っている私にとっては残念と言うしかないが、これは何ともしようがなかった。
政治家としてはいずれもアクのないいい人たちだったのだが、いい人だというだけではやはり流れは変えられない。
総理が足を運び、有力な閣僚が足を運び、あの小泉進次郎氏を何度も投入しても、結局形勢を変えることは出来なかった。
今回の参議院選挙はどこから見ても自民党の大勝ではあるが、それでも如何に自民党であっても、一旦出来た流れを変えるだけの力はなかった、どんなに力がありそうに見えている人でも一人では流れを変えることは出来なかった、ということだろう。
この度の参議院選挙を差配された方々は実によくやった、と言うところだろうが、それでも私は、皆さん、多少の無力感を味わっておられるのではないかと思っている。
一旦出来た流れを変えるのは、実に難しい。
自民党都連は都知事選挙に増田さんを正式に担ぎ出すことを決めたようだが、私にはどうにも自民党都連の方々は流れを見誤っているように思えてならない。
小池さんが一歩も二歩も先を行っている。
これで自民党が小池さんを党紀違反だなどと言って潰しにかかると、世論は自民党をよってたかって弱い者いじめをする横暴な権力者たちだと見做してしまうかも知れない。
自民党の執行部の方々は世論を恐れる方々ばかりだから、滅多なことでは自民党都連の言う通りにはならないと思うが、くれぐれも慎重に対処された方がいい。
私自身は、小池さんの活躍に期待している。
女性の都知事誕生という一大イベントに何かしら関わる道がないかな、と思って思案しているところである。