大事な仕事は3人の弁護士で対処せよー3人寄れば文殊の知恵 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

ああ、もうちょいですね、というのが私の感想である。

いわゆるヤメ検と弁護士の世界で呼ばれる弁護士のグループがある。
検察官出身の弁護士の方々で一つの狭い村を作っておられるようで、お互いの間で事件を回したりする。

検察官という公的な職務を経験されているから、この方々が普通の弁護士よりも中立公正な立場を標榜しやすいのは自然の成り行きで、第三者委員会などという名が付く仕事が回ってくるときは、こういう方々の名前が上がりやすい。
特に刑事事件がらみの話になると、元検察官の目で関係資料を見たり、検察当局の捜査手法に準じて必要な事実調査をしてもらいたくなるのは、これまた自然な流れである。

舛添氏は自分の政治資金収支報告書の記載について検察官出身の2名の弁護士の方に精査方をお願いしたそうだ。

調査に当たる弁護士の氏名についてはその弁護士の方々から当面非公開にして欲しいという申し出があり、昨日の記者会見では担当弁護士の名前は明かされなかった。

まあ、そういう申し出にもそれなりに理由はあるが、国民の関心がここまで高まっているときに担当弁護士の名前を非公開にすることが適当かどうかについては多少の疑念がある。

中立公正な第三者としての立場を大事にしたいと言うのであれば、この調査にはそれなりの公益性があると認めたわけだから、舛添氏の政治資金調査報告書等の問題点を精査し、それなりの判断を下すことになる弁護士は、ある種の公益の代表者的色彩を帯びるということだ。

公益の代表者に徹するのであれば、それらしく振舞うのがいいのではないかと思う。
堂々と名乗りを上げて、調査に当たる方針等を一般の方々に向けて説明する方がむしろ公正さを演出するうえではよかったのかも知れない。

舛添氏は2名の検察官出身の弁護士を指定したようだが、これはあまりいいことではない。
2名の弁護士の見解が対立したり、調整が必要になった時に統一した意見を出す方法がない。

3人寄れば文殊の知恵、という言葉がある。
こういう世間の注目を浴びるような取り扱いが微妙で、大事な仕事は3人で担当することが肝腎である。

まあ、それなりの方々がこれから仕事をされるのだろうが、3人ではなく2人の弁護士しか指定しなかったといところに舛添氏の中途半端さがある。
多分、大方の納得を得られるような調査結果を出すことは至難の業だろう、ということだけ取り急ぎ申し上げておく。

弁護士は2人よりは3人がいい、ということだけは、皆さん覚えておかれることだ。