閑話休題 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

社説にも登場するようになったのだから舛添バッシングはそう簡単に収まりそうにないが、それでも都知事リコールのような話にはならないだろうと思っている。

舛添氏の都知事辞職を求める声が如何に大きくなっても、舛添氏の辞職を受けて7月の参議院選挙に合わせて都知事選挙を同時に行うというのは、日程的に無理がある。
あり得るのは、衆議院の解散による衆参同日選挙であって、都知事選挙を参議院選挙と同時に行うというスケジュールを考えている人はいない。

都知事在任中の公私混同が問題になっているのならともかく、現時点で政治資金収支報告書の虚偽記載に当たるのではないか、と指摘されているのは都知事に就任する前のことばかりだから、いくら週刊誌が嗅ぎまわってもせいぜいが個人の会計で処理すべきものを政治団体の経理で処理してしまった、という程度のみみっちい話になるだけで、舛添氏の都知事としての資質を左右するような大問題にまで発展することはない。

舛添氏は一般の有権者からはどんどん嫌われる一方だろうが、だからと言って直ちに都知事を辞職しなければならないような羽目にまで追い込まれることはない。
警察や検察当局が動き出すような重大な嫌疑がない限り、舛添問題は都知事の辞職に繋がるような問題には発展しない、というのが私の見立てである。

サミットが目の前に迫っている。

サミットが終わり、オバマ大統領と安倍総理の広島訪問が続き、その直後に来年の消費税増税の再凍結が表明されるようになると、あっという間に衆議院解散風が吹いてくる。
舛添氏に対する世間の関心などちょっと目を瞑った瞬間になくなってしまうと考えておいた方がいい。
舛添氏に対する世間の関心は、せいぜいが今週いっぱい。

舛添氏のちっぽけな公私混同をいくら問い質しても、せいぜいが個人としての舛添氏の政治家としての資質を問うだけの話で終わってしまう。
何も材料がない時は、こうした個人のスキャンダルめいた話で暇つぶしをするのも仕方がないが、どうも大したスキャンダルとも言えない。決して胸を張るようなことではないが、ご本人に切腹を迫るような話でもない。

本当に心配しなければならないのは、2020年東京オリンピックの招致運動に関与された方々の方だろう。

政府としては適法だと信じている、法的には何も問題はなかったと聞いている、と言わざるを得ないだろうが、フランスの司法当局の判断を日本の政府側が左右することは出来ないはずだ。
裏金が2億円以上あったとか、2億2000万円ぐらいの現金がオリンピック招致活動のコンサルタント・フィー名義でシンガポールの会社に送金された事実があるなどという報道が相次いでいる。

商業主義に毒されているオリンピックそのものの在り方を問うにふさわしいテーマが目の前にある。

マスコミが本当に追いかけなければならないのは、こっちの方だろう。