広島に来て演説するだけでは単なるパフォーマンスだ、などといった辛口のコメントもあったが、アメリカのオバマ大統領が広島を訪問することが昨日本決まりになったことは、実によかったと思う。
核のない世界を目指すと言いながら、核拡散の流れを食い止めることが出来ないでいるのが現実の世界である。
北朝鮮が核保有国家として名乗りを上げ、執拗に核開発やミサイル発射の実験を繰り返し、さらには共和党の大統領候補になることが確実なトランプ氏が日本の核武装を示唆するような状況下で、オバマ大統領が世界で最初の被爆都市である広島の地に赴き、被爆者の方々に対する哀悼の意を表明し、核廃絶への誓いを新たにする、というのがいい。
オバマ氏のレガシーづくりという面はあるが、ノーベル平和賞を受賞したオバマ氏らしい決断である。
ここは、みんなで歓迎した方がいい。
トランプ氏の登場でアメリカの国論が大きく揺れ動く可能性があったが、オバマ大統領が広島を訪問することで、アメリカの国民をはじめ世界の人々が核廃絶の現代的課題により深い理解と関心を持つようになってくれればありがたい。
世界の最初の被爆国日本を、世界で最後の被爆国に出来るかどうか。
これまで70年間は、何とかやって来れた。
多分、薄氷を踏むようなことも何度かあったはずだ。
世界の指導者たちの責任は、益々重大である。
ちなみに、私たち日本人に出来ることは殆どない。
残念ながら。