軽減税率の導入が有効な選挙対策になる、と確信している方がおられるようだが、私は眉に唾を付けながら聞いている。
如何にも消費者が喜びそうな話に聞こえるが、実際には一部品目についての消費税の増税を止めておこうというだけのことで、消費者に何か新たなメリットが発生する、というものではない。
軽減すると言いながら何も変わらないじゃないか、ということにもなりかねない。
いざその時になったら、なんだこんなことだったのか、と国民の間に期待外れ感が広がるような気がしている。
政権が期待外れだということになると、あっという間に支持率が下がる。
今の民主党を見ているとよく分かるはずだ。
どこやらの世論調査で民主党の支持率が9パーセント台に落ち込んでいるという記事を読んだ。
民主党への政権交代が実現した2009年当時と比較すれば天と地の差である。
これは、すべて民主党に対する期待感と失望感の表れである。
今の、何事にも周到な自民党がそこまで国民に期待外れ感を齎すような愚かなことをしでかすとは思っていないが、しかし、自民党が国民の期待に反するようなことをしでかしてしまえば、今の民主党の再来、ということもないではない。
軽減税率の導入、と如何にも国民の負担を軽くするような印象だが、蓋を開けてみれば実は消費税の増税で、一部の品目だけ税率を据え置くだけの話だった、ということになると、どんなに理屈をつけても国民のガッカリ感は免れない。
うーん、軽減税率導入は大した効果はなさそうだな、というところである。
選挙のためだけだったら、やっぱり国民の目に見えるような、ばら撒きになるのだろうなと思っている。
私などは、財政の健全化をいつも念頭に置いており、どんなものでもばら撒きは止めるべきだ、と思っている組なのだが、しかし、どうも実際にはばら撒きは選挙結果を左右するようである。
2009年の政権交代は、子ども手当が齎したのではないかしら、などとさえ考えている。
若い主婦の方々が子ども手当をずいぶん評価していた、ということを聞いたことがある。
やっぱり、貰えるものはなんでもありがたいということだろうか。
さて、今回、自民党はどうするだろうか。
自民党は、低所得の年金受給者を対象に3万円の臨時給付金を出すそうだ。
やっぱり、ばら撒きですね。
筋悪だが、どうも選挙にはこれが効きそうである。
私は衆参同日選挙になるだろうと予測している一人だが、今年から来年の暮までの期間でばら撒きが出来そうなのは今年の5月から6月にかけてしかない、ということも私が衆参同日選挙を予想する理由の一つである。
なーんだ、そんなことなのか。
呆れてしまう方も多いだろうが、選挙を仕切る人たちの考えることは結構単純なものである。
時々は当てが外れることがあるが、頻繁に世論調査していると、ある程度有権者の投票行動を予測することが出来るようになる。
別にビッグデータを活用するまでのことはない。