あくまで法律問題として維新の党の解党問題を考えよう | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

私の40年間にわたる弁護士生活の中で裁判所が解散を命じたという事例を経験したことは1回しかない。
何十年弁護士をやっても会社の裁判による解散などはまず経験することはない。

その稀有の事例の解散事由は、株主が2人で、しかもその二人の株式が同等だったというケースである。
そんな株式会社など作る筈がない、などと思う方もおられるかも知らないが、仲の良い兄弟が親が設立した会社を継承したり株式を相続したような場合にこういうことが起こる。
共存共栄を図るためにはこれほど素晴らしい仕組みはないのだが、仲のいい兄弟でも会社の経営方針を巡って意見の相違が出てくることがある。
どちらかが譲ればいいのだが、どちらも自分が正しいと思っていると、取締役会でも株主総会でも何も決まらないことになる。

延々議論しても、いつまでも何も決められない。
会社の機能不全である。

50対50の株主構成の場合に株主間で意見の衝突が出てくれば、結局裁判所に申し立てて会社を解散させるしかなくなる。

私が裁判所による会社の解散の申し立てをした事案ではないのだが、今でもその争いの凄まじさが記憶に残っている。

維新の党の解党問題も似たような問題だな、と思っている。
別に裁判所に介入してもらわないで、知恵のある人たちが自分の手で上手に解党に持っていけばいいのに、と思っているが、なかなかそうはならないようだ。

これは、純粋に法律問題として維新の党の解党問題を取り上げたほうがよさそうだな、と思い始めている。

今のところ、憲法の学者の人も行政法の学者の人も維新の党の解党問題については発言されていないようだが、多分政党の法務は学問的に未開拓の分野のはずである。
ジュリストで特集を組んでもらった方がいい、と私にアドバイスをしてくれた若い友人がいたが、私もそう思っている。

研究者の皆さんにとっては相当中身のある論文が書けそうな題材があちこちに散らばっているはずだ。
そういうことに気が付かれた研究者が何人か集まれば、ずいぶん面白いことになる。
手を挙げる方がおられれば、政党法務研究会を立ち上げてもいい。

如何か。