自衛隊は、どこまで行っても自衛隊でいいではないか、ということ | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

自衛隊は軍隊だと認識している人が増えているようだが、私は自衛隊は自衛隊であり、いわゆる軍隊とは明確に一線を画している存在だと考えている。

憲法9条の規定を無視すると言うか、ないもののように見做して、日本の自衛隊は外国に行けば軍隊と見做されているのだから、正々堂々と自衛隊は軍隊と名乗ればいいではないか、軍隊であるべき自衛隊が自衛隊と名乗っているのはおかしいから自衛軍とか国防軍という名称に改めるのが筋ではないか、などという議論が永田町の一部では出ているようだが、私はこれに反対である。

自衛隊はどこまで行っても自衛隊でいいではないか、というのが私の基本スタンスである。

かつては自衛隊は違憲の存在だと見做す憲法学者が多かったが、私は自衛隊は合憲の存在だと認識してきた。
しかし、自衛隊が軍隊としての色彩を強める時は違憲の存在になり得る、とも認識してきた。

憲法の改正手続きを経ないで自衛隊の軍隊性を強めることに私が反対なのは、基本的に私のこのようなスタンスに由来している。

積極的平和主義と集団的自衛権行使容認の旗印の下に自衛隊の役割を拡充強化し、日米同盟を軍事同盟であると強調することによって、結局は自衛隊の軍隊性を強調することになるのではないか、という懸念がある。

自衛隊が実質的に軍隊だと言うことになると、これまで自衛隊合憲論を唱えてきた私は、いつか自衛隊違憲論に転換せざるを得なくなる。

ちょっと待って~、と言いたくなるのは、実はここにある。
憲法の変遷などという理論では、なかなか片付けられない難しい問題である。