負ける喧嘩を挑まざるを得ない翁長沖縄県知事にどうやって花を持たせるか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

安倍総理も官邸も毅然と、しかし優しく沖縄県民と向き合うのがいいだろう。
少なくとも沖縄県や沖縄県民を決して粗略に扱っていない、というところを具体的に示した方がいい。

普天間基地の移設問題を棚上げに出来ないことは多くの沖縄県民は理解しているはずだから、やはり現実的方策としては辺野古沖に新しい基地を作って移設するしか外ないはずだ。
民主党に政権交代しなければ今頃は一応の結着が付いていたはずだが、過ぎたことを悔いても仕方がない。
多少迂遠だが、もう一度沖縄県民の理解と納得を得るよう、丁寧に事を進めるのがいい。

翁長沖縄県知事が、辺野古沖への米軍基地新設に反対している沖縄県民の世論に従って辺野古沖での基地新設のための作業をあらゆる手段で阻止しようと動かざるを得ない、ということに多少は配慮するくらいの度量を示すべきだろう。

沖縄県が国の法律に基づいて沖縄県に認められた権限を駆使して国の行為を差し止めようとしても、県は決して国の上位機関ではないから、結局は国の方針に従わざるを得なくなる。
法の不備があれば法を改正すればいいだけのことだから、現在の政治状況からすると沖縄県の抵抗は結局は一応の抵抗の意思表示をした、というだけのことで、実際には何の効果も生まないことになる。

負けるのを承知で国に喧嘩を挑まざるを得ない、というのが、今の沖縄県知事の立場である。

負けるような戦はすべきではない、というのが基本だが、まあ、この程度のことは止むを得ないだろう。
ここでこっぴどく相手を叩きのめすようなことは、絶対にすべきではない。
しっかり抱きかかえて、そっと土俵の外に降ろしてあげるくらいな鷹揚さが求められている。

官邸は、そういう態度で臨むはずだ。

行政不服審査の手続きで沖縄県の工事中止命令を争うのは当然だが、だからと言って沖縄県に何らかの制裁や報復の措置は講じないはずだ。
本当の喧嘩だったら交付金や補助金の支給を凍結したり、特別法の制定などを検討するはずだが、沖縄県と国とが決定的な対決に陥るような事態は上手に回避するはずである。

沖縄県知事は負ける戦を戦わざるを得ないのだ、と思えば、自ずから国としての対応も決まってくる。

安倍総理は、沖縄県知事と速やかに会うべきだろう。
会わなければ、沖縄県知事はいつまでも振り上げた拳を下すことが出来ない。
これは、ずいぶんと気の毒なことだ。
なんとか沖縄県に花を持たせるようなことを考えた方がいい。