人質を取られて脅迫を受けている私たちに、今、出来ることは何か | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

人質になったのは、大分前だったようだ。
おそらく警察当局も外務省も内閣官房も日本人が人質に取られていたということは知っていたと思う。

それまでに身代金の要求があったのかどうかは判然としないが、身代金目的での外国人誘拐事件が既に起きていたのだから、今回のイスラム国を名乗るテロ集団からは身代金の要求が出ていたと考えておくのがいいだろう。
人質を救出するための方策は、それなりに検討されてきたはずだ。
しかし、日本政府にはなす術がないままに今日を迎えたのだと思う。

人質解放の身代金として2億ドルを要求してきたというのは、あくまで彼らの政治的メッセージであって、日本政府が2億ドルもの身代金を払うはずがないことを承知の上で2億ドルと言っていると考えた方がいい。
72時間で結論が出せるような問題ではないから、イスラム国が設定した72時間という時間は世界の世論の反応を確かめるための72時間だと思われる。

ここで怯んで日本がテロとの戦いの戦場から逃げ出すようであれば世界中の嗤い者になるだろうから、絶対に逃げるわけにはいかない。

日本政府がここで万が一でもテロ集団の要求に屈するような姿勢を見せれば、ますますテロ集団が増長し、日本人をターゲットにした新たなテロ事件を誘発することになりかねないから、どんな形でも身代金の支払いには応じられない。
こういう場合のメッセージの出し方は実に難しいが、やはり日本政府としては、人質の人命尊重と如何なる事態があってもテロには屈しない、というメッセージを出さざるを得ない。

治安が悪化しているシリアの国内からは外務省の職員は全員避難・撤退しているというのだから、日本の自衛隊や警察等がシリア国内に入って人質の救出活動を行うことなどはまったく考えられない。
日本政府として出来ることは情報収集ぐらいで、人質救出の術がないと言わざるを得ない。
事態の推移をただじっと見守るしかない、というのは実に辛いことである。

私たちが出来ることは、ひたすら祈るだけ。

72時間ひたすら祈り続けるしかない。
安倍総理も日本政府も、基本的には今は祈るだけしか出来ないだろう。

辛いことである。