期待されるインターネット選挙運動。次は有権者のメールでの意見交換を解禁すべき | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

私のブログのコメント欄での意見交換は、実に有意義だと思っている。

今回の選挙について皆さん、それぞれの立場からなるほどと思わせるような発言をされている。
私のブログ記事に触発されてそれぞれにご自分の意見を開陳されているのだが、概ね同意できることばかりである。
もっと大勢の方にこの意見交換に参加していただければ、小さな世論がここから生まれるかも知れない。

二大政党制を志向してきたがどうも政治の劣化を招くだけに終わってしまったのではないか、などという指摘は極めて重要である。

複数の政党が連立を組むことで相互牽制作用が働き、結構民意を反映しやすくなる仕組みになっていたのではないか、という指摘はこれまでどの識者も指摘してこなかった視点であり、選挙制度の見直しが結構重要な論点になることを予感させる。

小選挙区制選挙の下ではどうも政治が劣化するのではないか、ということは私もかねてから指摘してきたことだが、これはもっぱら与党の若い国会議員を念頭に置いての発言であった。
私が注目しているのは、野党である民主党の国会議員や候補者の質の劣化、政策の劣化を具体的に指摘する方が現われたことだ。

有権者の歓心を買うために実現不可能なことを政策に掲げ、有権者の誤信を招いて一時的に政権の座に就いても、結局、実現が不能な政策はどう捏ねくり回しても実現できない。
自民党の長年にわたる一党支配に倦んで、新しい風が起こることを期待して民主党に一票を投じてみたものの、現実に政権交代が実現したら、余りにも拙劣な政権運営が続き、国民の期待を大きく裏切る結果になってしまった、というのが前回の選挙結果に現われているのだと思う。
民主党がその後変わったかと言うと、実は何も変わっていない。
政策的にも人材的にも相変わらず劣化を続けている。
与党も野党も劣化しているというのであれば、いくら選挙をやっても政治に対する国民の信頼が回復するはずがない。
いや、ますます政治に対する国民の失望感が増すだけである。

多分、そういうご意見なんだろうと思う。

2大政党制の幻想を捨て、小選挙区制を中選挙区制に戻したらいいではないか、というご提案である。
私が第三極を作りたいと思っているのも、実は似たような発想から出ている。

公職選挙法の改正で昔のような金権選挙、買収選挙はし辛くなっている。
かつての中選挙区選挙では派閥の弊害が色濃く出ていたが、今の公職選挙法や政治資金規正法を厳密に適用すればかつてのような金権選挙はまず出来ない。
現時点ではテレビ等の影響力が圧倒的だが、若い人たちはあまりテレビや新聞に頼らなくなっている。
インターネット選挙運動が解禁されるようになっているから、これからはそうそうマスコミ報道に左右されることもなくなるはずだ。
ならば、中選挙区制選挙に戻したらいいではないか、というのが私の意見である。

小選挙区制選挙は、政権与党に圧倒的に有利だが、しかし、世論が大きく動くと簡単に政権交代となり、政治の継続性や安定性に重大な影響を与えることがあることは既に経験した。
国の重要政策が簡単に変わるような政治の仕組みには、大きな問題があることは間違いない。

直ちに小選挙区制選挙を止めるわけにはいかないだろうが、今回の選挙結果を踏まえてそろそろ中選挙区制選挙実現に向けての烽火を上げてもらいたいものだと思っている。
そのためにはどうしたらいいか。

まずは、今出来ることから始めるのがいいだろう。
選挙のやり方を変えることである。
物を言わない大衆を、物を言う大衆に変えることである。
私のブログのコメント欄で物を言う方々が、自分の所属するコミュニティでそれぞれに物が言えるようになることが大事である。
私のコメント欄で表明した主張や意見を自分の周りに拡げる運動を展開することである。

自分のブログを開設している人は、まずはご自分のブログに書き込むことである。
しかし、誰も読んでくれないのでは、折角の貴重な意見も立ち腐れていく。
共感の輪を拡げていくことが大事である。

現在の公職選挙法ではメールを使っての情報発信は、予め登録した相手方に対しての候補者や政党の発信しか許されていないが、これを一般の有権者にまで拡げることである。
未成年者の選挙運動を一切認めていないという現在の選挙制度も、私は遅れているのではないかと思っている。

結果が分かっている選挙は、退屈である。
もうそろそろ選挙は終わってくれてもいいと思っている。

しかし、今回の選挙が終わったら、真剣に選挙制度改革を推進してくれる国会議員を探していきたいと思っている。
政治を諦めたり、選挙を諦めるにはまだ早過ぎる。

いい政治、いい選挙を実現する方策はまだ残っている。