まずは、率直に話し合いができる関係を作る必要がある。
話せば分かるとは言わないが、話も通じない関係では碌な結論は出てこない。
自民党には歴代、中国首脳とのパイプ作りに専念してきた人たちがいるが、安倍内閣はそういう人たちのパイプを余り重要視していないようだ。
いつも隔靴掻痒なところがあり、いつまで経っても首脳間の個人的信頼関係の構築ができない。
安倍総理には原理主義者的な頑なさが付き纏っているようで、どうも腹を割った話が出来ないようだ。
建前論で終始するから、具体的な友好関係の構築には何ら資するところがない。
腹芸の一つも見せれば、田中角栄ばりの日中友好の果実を獲得でき、日中の関係も劇的に改善すると思われるが、不思議なことに安倍内閣は嫌中感を煽るしか能がないように見える。
尖閣のトゲを抜き、靖国の毒を希釈化するだけで日中首脳間の意思疎通のベースができるのに、こうした方面では安倍総理は自由に身動きすることができないようだ。
安倍総理は、ちょっと頭でっかちだと思う。
日本の国民の将来を考えたら、日本と中国をますます離反させる一方になりそうな言動は控えるものだ。
これで公明党が連立政権から離脱するようなことになれば、安倍総理は嫌中路線にはっきりと舵を切ったことになる。
そういう危ないことは止めた方がいい。
自民党には、田中角栄以来の中国とのパイプがあったはずだ。
今は大分細くなったようだが、いざという時にこういうパイプが役に立つ。
利権の臭いが強いのが珠に瑕だが、経済優先の人は戦争だけは回避するために知恵を絞るから、愛国原理主義者よりはいい。
ここまで書いてきて、明らかになってきた。
安倍総理があまりにも突出しているからきな臭くなる。
安倍総理があまりにも純粋だから、反って危なく感じる。
もっと平凡で、経済優先主義のリーダーだったら、同じことを言ってもそんなに国民の不安を煽るようなことはなかったかも知れないということだ。
弁護士早川忠孝の雑来帳「ザッツライッ」

メールマガジンの購読はこちらから
リンクはこちら⇒弁護士早川忠孝の雑来帳「ザッツライッ」