捜査当局が万一証拠を捏造して無辜の市民を死刑に追い込んだとしたら、国家が組織ぐるみで殺人罪を犯したことになる。
袴田氏については死刑判決が確定していたのだから、それこそいつ処刑されてもおかしくない状態にずっと留めおかれていたことになる。
これは、全体として殺人未遂と評価されるのではないのか。
決して他人の問題ではない。
袴田事件は、私たちの問題である。
捜査当局が証拠を捏造して無辜の民に死刑判決を言い渡させたということの責任は、証拠を捏造した直接の警察官にだけあるのではなく、こうした違法捜査を見逃した警察の上層部や捜査の適正をチェックすべきであるのに関わらずこれを怠った検察官にまで及ぶはずだ。
袴田事件は国家による組織的犯罪だ、という認識が必要になろう。
国の機関、組織による犯罪の最終的な責任は、結局は私たち一般の国民も負わなければならないはずだ。
袴田事件は決して他人事ではない、というのはそういう意味である。
さて、私たちはどうすべきか。
まずは、国会に袴田事件の真相解明のための特別委員会を開催して、徹底的な事実調査を始めるべきである。
勿論速やかな証拠保全も必要になる。
証拠の捏造によって司法の正義が捻じ曲げられた疑いがある、というのだから、国権の最高機関である国会がまず動くのがいい。
実に、重大な事態である。
私たち法曹関係者にとって腹がじりじりと痛くなるような実に重大な問題である。
弁護士早川忠孝の雑来帳「ザッツライッ」
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