家入氏はずいぶん得をした。
これで家入氏は泡沫候補から頭一つ抜け出すことが出来た。
書を捨て街へ出よ、というのは特に選挙の場合に必要な言葉である。
パソコンの前でひたすら画面とにらめっこをしたり、ぶつぶつとスマートフォンで呟いているよりも街頭に出る方が役に立つ。
テレビで放映されるようなパフォーマンスが出来るかどうかが泡沫に終わるか、泡沫から一歩抜け切れるかの境界線だったが、幸いにも家入氏の最後の街頭活動がテレビの画面に登場した。
もっとかっこいい若者だったら確実に有権者の心を捉えただろうが、テレビ局から相手にされるようになっただけでも大成功である。
雪の中の街頭は如何にも困難な仕事に立ち向かっているような雰囲気を醸し出すから、どの候補者にとってもいい画になる。
一番得をしたのは細川氏だろう。
雪が降りしきる中で赤い帽子を被って、しかも力強く演説をしている細川氏の姿は、76歳の元総理とは思えないほどのパワーと情熱を発散している。
小泉元総理の応援が要らなくなったようである。
おう、一皮剥けた。
そう思わせるような若さとエネルギーをテレビの画面から感じ取ることが出来た。
舛添氏が雪の中を精一杯の笑顔を振りまきながら歩いて支持者の方々と握手している映像もいい。
さすがにパワーに満ち溢れている候補者だと認識されただろう。
しっかりした支持者や応援団が舛添氏には付いている、ということがこの短い放映からも伝わってくる。
この最終日の映像だけで舛添氏には十分だろう。
宇都宮氏も相変わらず健闘していた。
雪の中でこれまでの都政のあり方を批判し、社会福祉の充実を訴える宇都宮氏の姿に感動を覚えた人もいるだろう。
真面目人間の真骨頂ぶりを雪の中の街頭が一際引き立たせていたようだ。
雪は実に素晴らしい演出家である。
田母神氏の画も悪くない。
高いクレーン車の上から聴衆に向かって演説するよりも地べたに降りて、顔に降りかかる雪を振り払おうともしないで自分の所信を丁寧に述べようとする姿を目の当たりにすれば、誰でもこの人は嘘の付けない誠実な人、人間として信頼のできる人だと思うだろう。
ドクター中松氏の映像まで登場したのには驚いたが、これはこれでいい。
80歳をとうに超えているのに、ちょっと映像を見ただけでご本人の若さが伝わってくる。
雪を物ともしない、というのが実にいい。
皆さん、お疲れ様でした。
それぞれにいい選挙運動をされましたね。
そう申し上げておきたい。
さて、この雪で投票率はどうなるだろうか。
滑ったり転んだりして怪我をされませんように。
そう願いながら、有権者の皆さんが自信の一票を投じられることを願っている。
弁護士早川忠孝の雑来帳「ザッツライッ」
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