やるもんである。
毎日新聞は、次のとおり報道している。
<秘密保護法>難しい内容監視 自民は国会内組織も検討
毎日新聞 12月8日(日)0時14分配信
「政府・与党は7日、国家機密の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法の成立を受け、恣意(しい)的な秘密指定がないかをチェックする監視部門の整備に着手した。政府は国会審議を通じ、個々の秘密を検証・監察する「情報保全監察室」(仮称)、事務次官級の「保全監視委員会」(同)を設置する方針を表明。しかし、ともに政府内の組織にとどまり、官僚による情報隠蔽(いんぺい)を防ぐ独立性は乏しい。自民党は議員立法で、特定秘密の内容を監視する組織を国会に設置する方向で検討している。【影山哲也、高橋恵子】」
実際の作業はこれから始まるわけだから、まだ中身については論評の限りではないが、反対、反対の声を上げるだけで法案の中身にまったく影響力を行使できない民主党や共産党をギャフンとさせるような実に見事な対応ぶりである。
審議不十分だと抗議の声を上げていた維新やみんなの党も自民党執行部がこれほど迅速かつ柔軟に手を打ってくると、反対一本やりに徹することが難しくなる。
強行採決一本やりでないところに官邸と自民党現執行部の強かさと、安倍前内閣の失敗に学んだ学習効果が現われているようだ。
やることが早い。
国会で議論を続けていてもその先に進めないということを見極めて、とりあえず参議院での採決には踏み切ったが、国会審議で問題とされた様々な懸念事項についてはそれぞれの機関でしっかり受け止め、真摯に検討を始める、という姿勢を石破幹事長が即座に示したのだから、衆議院段階で修正協議に参加して一定の成案を得た維新もみんなの党もいずれは鉾を収めざるを得なくなる。
硬軟取り混ぜた見事な対応だと言っていいだろう。
このくらい柔軟な対応をされると、来年の通常国会で野党が審議拒否や欠席戦術を行使することは憚られるようになる。
これからの作業は、過日成立した特定秘密保護法の実質的な補正、補完、修正だと思う。
既に官邸や各省庁の担当部署、さらには自民党PTでの検討作業が始まっている、と見ておいた方がいいだろう。
国会の審議が不十分だったところを議員立法で補おうというのだから実に異例のことであるが、国会で法律が成立したその日に次の作業が始まるということはいいことだ。
ただの拙速批判は、もう通用しない。
これからは、成立した特定秘密保護法をどのように修正していくか、という作業に移るのがよさそうだ。
弁護士早川忠孝の雑来帳「ザッツライッ」
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