まずはおめでとうと申し上げておく。
やるといったことを皆さん、それなりにやり遂げたのだから立派なものである。
野田総理にとって57人もの民主党の衆議院議員が反対票を投じたのは多少多過ぎの感があるかも知れないが、これは仕方がない。
多くの民主党の国会議員にとって、選挙という審判を経ないで選挙の際の国民との約束事、マニフェストを反故にするようなことが受け入れ難かったことはよく分かる。
選挙民との約束を守るか、直近の3党合意を守るかと問い詰められたら、私も党利党略性が明らかな3党合意よりも自分が選挙民の目の前で大演説をぶち、選挙民に具体的に約束したマニフェストを守ることを選ぶだろう。
やはり、嘘はつきたくない。
だから、私は反対票を投じた民主党の衆議院議員はそれなりに立派だと思う。
もっとも、一体改革法案や消費税増税法案に反対することが正しいとも思わない。
民主党のマニフェストなど詐欺フェストの類だと思っていたから、政権交代になってずぶの素人ぞろいの民主党が政権を担当するということになると相当大変なことになるぞ、と心配していたから、野田総理はここにきてマニフェストを事実上撤回することになったのは当然だと思っている。
そのことを率直に認め、3党合意に漕ぎ着け、そして3党合意を守った野田総理もそれなりに立派だった。
私は、この件に関しては誰も批判する気にはなれない。
みんながそれぞれ自分の信念に基づいて行動したのだから、それでいいではないか。
そんな気分である。
しかし、明らかに政治信条を異にする者がいつまでも同じ屋根の下にいるのはおかしい。
さっさと別れればいいではないか。
そう、思っている。
もう分かりにくい政治は勘弁である。
みんなもっと分かりやすい言葉を用いて、本当のことを国民に知らせるべきである。
今日反対票を投じた民主党の衆議院議員がそれぞれ自立の道を歩み始めることを心から願っている。
小沢氏抜きの小沢新党を作るもよし。
橋下新党への合流を志向するもよし。
完全無所属を名乗るもよし。
とにかく手垢に塗れた民主党の衣服を脱ぎ捨てることだ。
きっといいことがある。
新しい動きが明日から始まるはずだ。