菅内閣退陣までのスケジュール | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

今日の参議院本会議で原子力賠償支援機構法案が可決成立する運びとなっている。

被災者救済に名を借りた実質的な東京電力救済法案だと批判されているが、とりあえず与野党協議の成果が出来上がるのは悪いことではない。

今朝の読売によると民主党の岡田幹事長は子ども手当の廃止と児童手当の復活に方針を転換したそうだから、これもいいことだ。

自民党の中ではさらにハードルを上げて、高速道路無料化や高等学校無償化のいわゆるばら撒き3策の撤回、ひいては民主党マニフェストの全面撤回と謝罪を求める声も強いようだが、これはほどほどのところで手を打つのがいい。
ここで民主党の政策転換を確実に勝ち取ることが出来れば、菅総理退陣後の新しい政治の流れを作る難しい作業を、現在の民主党執行部と自民党、公明党の幹部の間で進めることが出来る。

ここで無理をすると岡田氏が民主党の中で孤立して、新しい流れを作る動きが挫折してしまう。

結果的には菅総理の居座り、居直りに手を貸すことにもなりかねない。
お盆前の8月13日までにすべてを仕上げる必要がある。
自民党が政局転換と菅総理退陣後の新連立や政界再編の主導権を握りたいのなら、ここは民主党の岡田幹事長が動きやすいように事実上の協力をすることである。
さて、自民党の執行部はどこまで本気で菅総理の退陣に向けて動くだろうか。

こういう時には、やはり小沢氏の政局観、大局観は頼りになる。
今朝の産経は、後掲のとおり「小沢氏、会期末までに不信任案提出の意向 新党・新会派も視野」と大きな見出しを振って小沢氏の動きを報じているが、これが本当だったら、今、菅総理の退陣に向けて一番的確な手を打っているのは小沢氏ということになる。

自民党には殆ど打つ手はないのだが、利用できるものは何でも利用する、全部利用するくらいの気持ちでこの大事な時期を乗り切っていただきたい。
岡田氏を嫌いな人も多いだろうが、菅総理退陣後の日本の政治をなるべく早く、かつスムースに安定に持っていくためには、子ども手当法の修正を巡って自民党、公明党と民主党の執行部の間で醸成されてきた人間関係や信頼関係を大事に育てていく必要がある。

小異を捨てて大道に就け。
大事を構い、小事に構わず。
そう申し上げておく。

(参考)

産経新聞 8月3日(水)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110803-00000085-san-pol

 民主党の小沢一郎元代表が、8月31日の会期末までに衆院に内閣不信任決議案を提出する意向を固めたことが2日分かった。複数の小沢氏周辺が明らかにした。同一国会に同一議案を再提出できない「一事不再議」の慣例があり、自民、公明両党が再提出に慎重なため、衆院会派「民主党・無所属クラブ」による提出を目指す。党執行部が発議に難色を示したならば、小沢氏は新党・新会派結成を視野に賛同者を募る構えだ。
周辺によると、小沢氏は8月中旬までは岡田克也幹事長ら党執行部による菅直人首相退陣を促す動きを見守る構え。それでも首相が退陣を拒めば、小沢氏自らが党執行部に不信任案提出を促す考えだという。
 党執行部が提出に難色を示した場合、不信任案の発議に必要な50人以上の賛同者を集めて提出に踏み切る方針。衆院事務局は慣例を理由に会派代表の民主党幹事長の承認が得られなければ受理しない公算が大きいが、その場合は新党・新会派を結成して不信任案を提出する算段だとされる。

 不信任案に関し、小沢氏は7月28日の記者会見で「不信任案は提出者と理由が違えば一事不再議に反するものではない。首相が辞めないのならば民主党議員全員が深刻に考え、決断すべきだ」と述べ、民主党・無所属クラブによる再提出に含みを残した。