佐藤優氏は最高の刑事弁護人 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

佐藤優氏と石川智弘氏のブロゴス対談の記事を読んだところだが、不幸にして刑事事件の被疑者や被告人になった場合の被疑者や被告人の心構えが見事に説か明かされているのに感嘆した。
ある意味でベテランの有能な刑事弁護人が語るべき最高の知恵がここに語られている。

この知恵を身に着けた人は、滅多に心が折れない。
刑事事件の被疑者になりそうな難しい問題を抱えてる人や、自分自身ではなかなか解決し難い困難な事態に直面している人は、この対談を読まれるといい。
危険予知能力や危機回避能力が如何に大事か、ということが分かるはずだ。

自分にどんな危険が迫っているか、その予兆を知る術を佐藤氏は語っている。
当人は何でもないこと、大したことではないと思っていることが実は相当深刻な問題だということは、当の本人にはなかなか分からないものだ。

そういう事態に直面した経験のある人でなければなかなか分からない微妙なサインをしっかり受け止めることの必要を佐藤氏は説いている。
アンテナがない人には分からないことである。
多分佐藤氏も自分が経験するまではその種のアンテナを持っていなかったはずだ。
佐藤氏も、今だから分かる、今だから本当のことをアドバイスできる、ということだろう。

佐藤優氏は、弁護士の資格はないが、最高の刑事弁護人の一人である。

佐藤氏が自殺した松岡元農水大臣との交流を語っているところが大事である。
真面目な人ほど心が折れる。
心が折れやすい人が心が折れないようにするには、どうしたらいいか。
このことを考えるヒントが、この対談に現われている。
もっとも、当時はさすがの佐藤氏も松岡氏を救うことは出来なかったが。

さて、心が折れないための最高の知恵は、何か。

早く本当のことを知り、最高の知恵を持つ人の指導を仰ぎ、雑念を取り除きひたすら事件に向き合い、そしてどんな困難なことがあっても決して逃げない、自死を選ばないで戦う、ということだ。

戦い抜いた佐藤氏だからこそ自信を持って石川氏に助言できたのだと思う。
そういう戦い抜いてきた佐藤氏の助言だったからこそ石川氏はその助言を素直に受け入れたのだと思う。
普通の弁護士は、なかなかそこまでの確信を持っての透徹したアドバイスや指導は出来ない。

心が折れやすい人が心が折れないようにするのが弁護士の最高の仕事の一つだから、佐藤氏は現在ではその意味での最高の刑事弁護人である。
学ぶことが多い、いい対談である。