柿沢未途氏の質疑に注目 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

みんなの党の柿沢未途氏がいい仕事をしている。

柿沢氏はツウィッターで情報発信をされているが、柿沢氏の委員会での質問の意図が明瞭に示されており、かつ審議中の法案のどんなところに問題があると感じているのかがズバッと指摘されている。
国会審議に加われない一般の私たちにも国会の審議がよく見えるようになっているのがいい。

私たち忙しい一般の国民は、今、国会ではどんな案件についてどういう国会議員がどういう質疑をしているのか、そして審議中のそれぞれの法案について具体的にどういう問題があるのかをフォローすることが出来ない。

いよいよ原子力損害賠償機構法案が民主党、自民党、公明党の修正協議を経て成立する運びとなったが、どんな点に修正のポイントがあるのか、その修正案の問題点はどこにあるのか等についての共通認識を欠いたままだと、その後の情勢の変化に対応できなくなる。
柿沢未途氏やみんなの党が指摘していることは当然私たちも十分理解し、かつ覚悟しておかなければならないことだ。

民主党、自民党、公明党が合意したからそれで万々歳だ、とはいかないのが現実である。

事前の修正協議で法案の中身が決まっていると、後で一人の国会議員がどんなに重大な問題提起をしてもその場ではパスされてしまう。
問題点についての詰めが甘くても法律は成立してしまう。
修正協議に参加した現場の実務担当者の能力やそのスタンスで実質的に法案の内容が決まってしまう。
よほど優れた能力の持ち主がいないと、結局は役所が用意したシナリオに乗った仕事しかできなくなる。

そういうことを私たちはよく知っておく必要がある。

いずれは民主党、自民党、公明党の大連立に雪崩を打たざるを得なくなるだろうが、その時におかしいことはおかしいと問題点をはっきり指摘する能力を持った人たちが国会にいることが極めて重要である。

柿沢氏の質疑の持ち時間は僅か10分だったようだが、その質疑内容からすると1時間ぐらい割いてもいいような立派なものだった。

みんなの党にはもう少し議席を増やしていただいて、保守勢力の中の健全野党としての役割をこれからも担っていただきたい。

柿沢氏のブログからさわりの部分を抜き出して皆さんにご紹介する。

(以下、柿沢氏のブログの引用)

私の質問。原子力損害賠償機構法案の民自公の修正案。「東電を債務超過にさせないとの閣議決定の効力がなくなった」と評価する自民党議員がいるが、ならば機構が支援開始後に東電が債務超過に陥る事を想定しているのか。海江田大臣は、ある意味、明快で、「想定していません」。 18:28 via web
一方、修正案提出者の自民の西村議員は「債務超過となる事を想定したものではないが、将来的に責任分担を議論する中で、必要な措置を講じる事としていて、その中で整理されていく問題」。慎重な言い回しをしつつも、債務超過→破綻処理を完全には否定せず。海江田大臣の答弁とは違うスタンス。 18:37 via web
で、東電が債務超過となり、法的整理に進んだとして、その時点までに機構から東電に交付された支援金はどうなるのか。自民・西村議員「それは将来的な責任分担を決める中で、株主責任は、金融機関は、という中で、おのずから決まってくるもの」。西村議員のこの言い回しは、言外に何を含んでいるか。 18:41 via web
つまりは、東電が存続している限りは、機構からの支援金は「特別負担金」として東電から返ってくるが、債務超過で破綻処理となれば、支援金は返ってこない。そうなれば、「今さら東電を破綻させたら国民負担が生じる」と、資金を追加投入して東電を救済するに決まっているではないか。 18:50 via web
法案には機構から東電への資金援助の条文があり、さらに今回の修正案では、機構のカネが足りなくなったら、国が必要な資金を機構に追加投入できる条文まで新たに盛り込まれた。「国の責任の明確化」の名の下に、国がとことん東電の面倒を見る、債務超過にしないとの方針を強化しているではないか。 18:53 via web
結局、今回の民自公の修正案も、東電を債務超過にしないための法案に変わりはない。それを見抜いているのが株価で、6月9日に一時146円まで下がった東電株が、「修正合意近し」と見るや、600円台まで4倍に上がった。「二段階の破綻処理」どころか、「これで東電は救われた」と見ているのだ。 18:59 via web
今回の修正案にあたって、経産省が自民への根回しの際に使われたとされるペーパーがある。そこには「修正が許されないポイント」が書かれており、東電への支援に勘定区分を設ける事は、「東電が債務超過と認定される」として、まず第一に挙げられている。そして勘定区分の設定は見送られた。 19:04 via web
結局、このように、「東電を債務超過にしない」という点で、民自公の修正協議が行われ、国会に提出されたら2時間半、私には10分間の質疑で、採決に持ち込まれてしまう。これで良いのか。西村議員が答弁に。「そんなペーパーは知らないし、経産省がそのような根回ししていたなら、私は許さない」 19:07 via web
自民・西村議員「東電の存続のためではなく、とにかく国民負担を極小化する観点を大事にして、当面は東電に頑張ってもらって、将来的には責任分担を考える、そういう修正案を出しているんです!」。しかしその「当面は東電に頑張ってもらう」が、国民負担による東電救済に繋がるのだと申し上げた。