33人全員の救出が無事行われた。
歓びの声が渦巻いていた。
世界中の人が見守っていたこの瞬間に、チリの大統領がヘルメットを脱いだ。
始まったのは、全員でのチリの国歌の斉唱である。
私たちは、残念ながら、こういう瞬間にみんなで口ずさめる歓びの歌を持っていない。
子どものころから慣れ親しんでいる、みんなに共通の歓びの歌が、日本にはないのである。
君が代は荘重だが、歓びの歌ではない。
今、国民の心は、バラバラだと言ってよい。
国を愛する、などと言いながら、その国の姿が日一日とおぼろげになってきているようだ。
一度この国を解体する必要がある、などという声すらも若い人たちの間から上がってきている。
これを、そのままにしておいてはならない。
われらの国を、われらの力で興す。
そういう気概が今一番私たちに求められているものではなかろうか。
その瞬間に、みんなで歌える歓びの歌を私は作りたい。
皆さんは、如何か。