人には自分では気づいていない大事な役割が与えられることがある。
それを気づいたときに、その役割が自分に与えられた天命だということが分かる。
天命には、抗わないほうがいい。
昨日、日本の司法を考える会に出席した。
当然、村木局長の無罪判決と前田検事のフロッピー改竄、証拠捏造事件が話題になる。
日本の司法を考える会では、これまで様々な政治家や官僚、有力者と言われる人で検察庁特捜部等の取調べを受けて有罪判決を受けた人、実刑判決を受けて収監直前の被告人、冤罪であることが判明して再審で無罪判決が言い渡された人、服役を終えて社会復帰を果した元受刑者などの生の声を聞いてきた。
是非とも村木局長からもお話を聞くべきである、ということに衆議一決した。
弁護人を務められた弘中弁護士を通じて村木局長にコンタクトを取ろうということになったが、意外や意外。
思わしい返事が得られなかったようだ。
無罪判決が確定したため、局長級のポストに復帰する、ということで、どうやら週間金曜日の取材を断ったため、他のマスコミの前で話をすることも控えよう、ということになっているらしい。
これは、大きな勘違いである。
村木さんは、戦って戦って戦い抜いて今回の無罪判決を勝ち取った。
この戦いは、もう個人的な戦いではなくなっている。
厚生労働省の一官僚として厚生労働行政の発展に尽くすのも村木さんの大事な役割だが、日本の司法の闇に果敢に挑戦し、国民の目の前で勝利をもぎ取った、というのは、菅谷さんの戦いに匹敵する歴史的な勝利である。
日本の司法の歴史を大きく塗り替えるための証人としての役割が村木さんには、ある。
国家公務員には職務専念義務が課せられているが、村木さんは日本の司法を変えるという大事な使命を託された人である。
厚生労働省に復職する条件を国に突きつけて何ら差し支えない。
自分の事件についてこれからも語り続けること。
あらゆるマスコミや国民に開かれた場で、自分の経験してきた本当のことを語り続けること。
これは、村木さんの天命である。
この戦いは、一旦始めた以上、途中で逃げるわけにはいかない。
国民のためにも、村木さんは官僚の内向きの、狭い世界に逃げ込んでしまい、口を塞いでしまうようなことは絶対にしてはならない。
私は、そう思っている。
鉄は熱い内に打て。
そう思うからこそ、早い内に村木さんや弘中弁護士にこのメッセージを届けることにする。
これは、私の新しい戦いの一環でもある。