警視庁捜査2課が昨日、民主党から立候補して落選した候補者親子を運動員買収(選挙運動の見返りに報酬を支払う約束をした)容疑で逮捕した、という記事が載っていた。
あ、やっちゃった、という感じである。
自分の会社の社員に電話かけをさせる、その見返りに給料相当額の現金を支給することを約束した、という嫌疑である。
こんなことで逮捕するのかな。これはかなわんな、と正直思う。
落選候補者の陣営に限って運動員買収で逮捕される人が出てくるので、何か弱いもの苛めのような気がする。
もっと大物の選挙違反、組織ぐるみの本当に悪質な選挙違反を徹底的に摘発してみたら、と言いたくなるが、どうも手っ取り早く検挙しやすそうな相手だけ狙っているようで、実に気持が悪い。
何故28日に逮捕されたのか。
選挙違反の摘発をする立場になって考えれば、分かることだ。
運動員買収を摘発するためには、現実に現金の授受が終わり、領収書が書かれた直後が一番いい。
いつごろ運動員に対する支払いがされるか。
投票が終わった直後は、おそらく選挙事務所は選挙の後始末で大童。
とても選挙の支払いまでは追いつかないはずだ。
ある程度片づけが終わって、いよいよ選挙事務所を畳む頃、ということになるだろう。
会社であれば、月末に近い5,10日。
7月25日に支払いがされる可能性が高い。
たまたま今年の7月25日は日曜日なので、その直後あたりに運動員に対するアルバイト代の支払いがされるだろう、と考える。
候補者が当選していれば取りはぐれはおそらくないが、落選した候補者の場合はどうなるか分からない。
運動員も早くアルバイト代を欲しがるはずだ。
だから、月末は運動員買収事犯の摘発の最大の狙い目、ということになる。
うまくすれば、領収書が押さえられる。
現金の押収も出来るかも知れない。
これが、摘発する側から見た場合のロジックである。
まさに、善良な市民が落とし穴に落ちるようなものだ。
あっ、危ない、と声をかけたくなるが、これは教えを乞おうとしない人も悪い。
勿論、危険性を知りながら何にも教えない人は、もっと悪い。
誰がこの候補者を担ぎ出したのか知れないが、それまで順調に歩んできた人生が多分これで台無しになる。
気の毒で仕方がない。
誰が最後までこの親子の面倒を見るのだろうか。
それとも、落選した候補者は用済みなのか。
それにしても、電話かけのアルバイト代の支給約束を選挙違反だとしている現在の公職選挙法は善良な市民を犯罪者に仕立て上げかねない悪法であると私は思う。
民主党は公職選挙法の改正問題に早急に取り組む必要があると思うが、如何か。