鳩山総理に欠けていたこと | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

鳩山総理の民主党両院議員総会での挨拶を動画でじっくり見させていただいた。


よく考えられた挨拶だし、如何にも鳩山総理が小沢幹事長を幹事長職から引き摺り降ろした、というような印象が残るような一世一代の大舞台だったことが分かる。

鳩山の真骨頂ここにあり、と言いたいような名演説である。


そこまで言うか、というような物言いもあった。

クリーンな民主党に戻したい、と絶叫すればするほど、如何に現在の民主党がクリーンさから遠いか、誰が元凶か分かるような物言いだった。


名指しされた小沢幹事長はさぞかし耳が痛かっただろうし、腸が煮えかえっていたかも知れないが、ずっと黙して語らず、最後には笑みを浮かべて鳩山総理と握手すらしていた。

一見鳩山総理の捨て身戦術が功を奏したような印象が残ったが、よくよく考えると小沢氏は何も失っていない。

次の代表や執行部あるいは新しい内閣が出来るまで依然として民主党の最高権力者の地位にいる、ということだ。


執行部の更迭がなかったので、次の代表選挙は小沢氏ただ一人の意向に沿って実施されることになる。

当然、次の内閣の構成についても幹事長である小沢氏の意向に沿うようにしなければならなくなる。


鳩山総理はやっと小沢幹事長を道ずれにした、と思ったかも知れないが、実際には辞めるのは鳩山総理だけ。


鳩山総理の演説を聞きながら、ああ、この人の本音はやはりこのあたりにあったのか、もう少し上手くやればよかったのに惜しかったなあ、などと鳩山総理に同情しないでもなかったが、まあ今となれば致し方ない。


鳩山総理は、要するに詰めが甘い、ということだ。

実務家ではない、ということだ。

国家の命運を預る一国の総理大臣としては致命的な欠陥である。


小沢氏に引導を渡すのだったら、自分が総理の辞意を表明する前に幹事長を代えてしまえば良かったのに、演説だけで満足してしまった、ということである。

実に惜しかった。

本当に鳩山総理が小沢氏に引導を渡していれば、民主党の再生も日本の再生も一気に進んだろうに。