忘れないうちに書いておく。
これは、幻想の世界を描いたもの、イルージョンの世界そのものだ。
話題になっている村上春樹の1Q84を読んでの感想である。
読んだ後、何も残らない、しかし、読んでいる途中ではその先が気になる、一度は読み通しておきたい、しかし、二度読む気にはなれない、そういう小説があることにびっくりした。
これは、じっくり読むものではない。
一挙に売り尽くすのがいい、そういう感想を抱いた。
これは何だろう、と考えていた。
一つの空気を描こうとしたのではないか、思い当った。
難しい仕事である。
風を絵に描くことが出来るか。
空気を絵に描くことが出来るか。
何もない空(くう)を絵に描くことが出来るか。
天才たちは、出来るようだ。
風も空気も、ただの空(くう)も、絵に描くこともできれば、文字にすることも出来る。
1Q84は、そういう類の小説である。
論理的に考えればあり得ない世界の話。
どこか狂気の臭いが漂っている。
これは、イルージョンの世界である。
鳩山総理の顔を思い浮かべながら、取り留めもなくそんなことを考えた。
変なお話である。