ラジオ体操の後、ストレッチをやっている。
ほぼ毎日会場に行っているので、顔なじみができる。
山梨出身の男性、五島出身の男性と私が同じ石段のところで膝の屈伸や展伸をしている。
郷里の話がいつも出てくる。
今日は、五島出身の男性が山梨出身の男性に、トビウオのだしを持ってきたよ、奥さんにどうぞ、と言っている。
後からその場所に顔を出した私にも、早川さんには明日持ってくるからね、と言う。
ありがとうございます。
海で獲れるうにやあわびなどの海の幸の話にひとしきり花が咲いて、私は先にその場を失礼した。
自宅まで20分以上かけて歩いて帰る。
家の傍まで来て気がついた。
明日も明後日も、そしてその翌日も、ラジオ体操には行けないことを。
あれれ。
折角のご好意なのに、大変な失礼をしてしまう。
自分のスケジュールなど念頭になく、しかもそういう場所で物を貰うなどということがなかったので、こんなことになってしまう。
いつも顔を合わせているが、どこにお住まいか分からない。
勿論、電話番号も知らない。
どうしよう、どうしよう。
いつもの場所に張り紙でも残しておくか。
残念ながら、出発の時間が来る。
とんだウッカリでガッカリさせてしまうことが分かりながら、出発せざるを得ない。