なるべく競争条件は平等にしたい、それが私の願いです。
圧倒的に優越的な地位にいる権力者が、他の有為な人材の登場を妨害し自分の子弟を無理矢理国政に送り込むようなことはすべきでない。
それが基本です。
世襲の政治家が悪いのではなく、そういう不公正が横行する温床を出来るだけなくしたい、というのが、私の本音です。
小選挙区制ですと、自民党の基盤が圧倒的に強い地方では自民党の公認候補になるだけでほぼ当選が保証される。
そんなことは止めた方がいい。
誰でもチャレンジできるように、まず党側の環境を整える。
競争がなければ、堕落する。
苛烈な競争は必要ないが、適度な競争は必要だ。
それが私の考えです。
勿論、政権党と非政権党では違いがあるでしょう。
非政権党の場合は、当選が難しく、当選しても権力を握ることは難しい。
非政権党よりも政権党の方にこそ世襲制限の必要は高いのです。
これが中選挙区制の場合は大きく変わります。
現職の公認候補がいるところに世襲候補が挑戦する場合は、大抵は非公認で立候補ということになります。
激しい激しい選挙戦を勝ち抜いた人しか国会議員になれない。
ここでは適度の競争条件が満たされております。
私が問題にしているのは、現在の小選挙区制度での世襲候補の立候補制限です。
現職議員の圧倒的な力を背景にしての世襲候補の立候補は抑制させたい。
せめて1回空けるぐらいの節度は持ってもらいたい。
本当にご本人に実力が備わっているのであれば、別の選挙区から立候補すればいい。
無所属での立候補であれば、何の文句もない。
実質的なチャレンジの機会が他の有為な人材に与えられ、対等な条件で競争した上世襲候補が勝ち残ったのであれば、これも文句がない。
実際は、どうか。
どうも何らの競争がなかったように見えるから、私は問題にしているのです。
少なくともご本人たちはそのことを十分自覚する必要がある。
自分たちが如何に恵まれた存在であるか、十分認識する必要がある。
その程度の謙虚さは備えておいて欲しい。
それが、私の願いです。
都市部では、もはや自民党ブランドは役に立ちませんので、世襲であろうと世襲でなかろうと本人に相当の実力がないと生き残れないので、あえて世襲制言論を振りかざす必要は乏しい、とは思いますが、それでも私は、自民党としての高い志の一端を示すために世襲制限を訴えたいと思います。
まあ、一般の国民の皆さんには、いい人であれば誰でもいい、ということでしょうが。