自分では旗を揚げるべき時期がいつか、分からないものだ。
時の流れ、時の勢いが人の行動を誘い、新しい時代を呼び込む。
ひょっとしたら、今日がその日になるかも知れない。
今朝の日経に、今日の町村派の総会で森元総理が現在の三人代表世話人制を町村信孝会長、中川、谷川両代表世話人制に変えるよう提案する、と出ている。
昨夜中川秀直氏から私の携帯電話に連絡があった。
「私の身柄は、皆さんにお任せしております。」
町村派の幹事の一人を務めているが、今日が自民党に激震を走らせる一日になるかも知れない。
その時、歴史が動いた。
今日が、その日になりそうだ。
口出しすべきでない人が動いたために、不確かなバランスの上に乗っていた様々な力の均衡が一気に崩れる。
ガラガラと音を立てて、古い自民党が壊れる最後の引き金を引くのは、どうやら、古い政治家の世代の代表である森元総理である。
こうして、義理や人情、打算で辛うじて一つの形をなしてきたものが、ぐずぐずと崩れていく。
そういう一瞬を、私たちは目の当たりにするのだろう。
派閥の存在意義が急速に薄れていっている。
今は、なんでも、「作るのは難しいが、壊すのは易しい」時だ。
渡辺喜美氏は、派閥を離脱してから数年後に大臣になり、大臣を終えたら自民党を離党した。
小泉元総理は、派閥の会長から派閥の解体、自民党をぶっ壊す、と公言しながら自民党の総裁、総理に就任し、総理を終えたら派閥には戻らず、ついに政界からの引退を表明した。
私は、この段階で町村派の中に大きな亀裂をもたらすようなことは差し控えるべきだ、今はその時ではない、と訴えてきた。
折角の人材を擁していながら、こんな形でずるずると内部での不協和音が拡大していく。
もったいないことだ。
丸ごと新しい政治のうねりを作る集団に衣替えできればいいのに。
そう思ってきた。
しかし、そうもいかないようだ。
森元総理が厳然として君臨している限り、町村派の中から新しい力を作ることはできないようだ。
本人の意図と関わりがないところで、人間の運命は決められていく。
そうであれば、やはり、自分で自分の歩むべき道を決めて行かざるを得ない。
町村氏も、中川氏も、そして、この私も。