21世紀政党行動政策研究会発行の「政党大鑑」に次の一文があることを発見した。
「政府が『徴兵令』を公布したのは、明治6年1月10日である。それまでは武器をとって戦いに従事するのは武士の専売特許となっていた。それが一変して武士以外の一般の男子で一定条件を満たした青年には軍隊に入って軍人になることが義務づけられた。いわゆる『兵役の義務』である。ところがこの徴兵令が『血税一揆』というとんでもない騒動に発展した。その最大の理由は、布告文のなかにあった『血税』という文字だった。
布告文はいう
『西人、これを称して血税とす。その生血をもって国に報ずるの謂なり』
西人とは、西洋人のことである。西洋人は『徴兵』のことを『血税』ともいった。徴兵によって軍隊に入り、戦場に出れば運が悪いと血を流して戦死したり、傷を負ったりする。西洋人が血税という言葉を使ったのは『青年が自らの血(生命)をぎせいにして国家国民のためにつくすということから血税といういい方が生まれたのだ』ということを明治政府はいったつもりだったらしい。ところが一部の農民たちはそのように受けとらなかった。
『血税』とは税金のかわりに『血をとられる』、つまり『命を奪われる』と解釈したのである。」
ああ、勘違い。勘違い。
とんでもない、勘違いである。
この一文が原因で西日本各地で一揆が起きたという。
最も盛んだったのが兵庫、岡山、鳥取、香川。
ところによっては1万人が参加する大規模な一揆になったそうだ。
相当の犠牲者も出したようだ。
しかし、それにしても誤解を招きやすい表現ではある。
不用意な物言いは避ける。
勘違いからくる紛争は、できるだけ早く解決する。
改めてそのことの重要性を確認した。
それにしても、昨今の政治状況は、明治維新直後の混乱期に似た様相を呈している。