これを出来レースと酷評する人がいる。
これまで自民党の総裁選挙は室内で行われていた。
それを、街頭演説会に変えたのが小泉純一郎。
しかし、それでも、東京と大阪などの大都市だけ。
これまで4回だった街頭演説会が、今回は17回にまで増えている。
テレビ局やプレスセンターでの討論会に出演することまで計算に入れれば、候補者が一般大衆の前に姿を現す機会は、優に20を超えている。
公衆の面前で繰り広げられるバトルは、尋常ではない。
候補者は自らの「化けの皮」を剥がされることも覚悟して臨まなければならない。
知識不足、知恵不足の醜態を曝け出すかも知れないのだ。
1回1回の街頭演説会が勝負である。
聴衆の白けが広がれば、そこでその候補者は泡沫候補に変わる。
マスコミ報道によれば、現時点では麻生幹事長が圧倒的な支持を得ているようだ。
昨年の秋葉原での街頭を皮切りに、約10ヶ月間、全国160箇所以上で講演し、全国jを行脚してきた成果が上がっているようだ。
そこまでの真剣な努力を重ねてきている人は、滅多にいない。
「日本全国、どこも不況だ。」
そう、麻生氏が語る言葉には、実感がこもっている。
必勝態勢で総裁選挙に臨んでいるはずの、その麻生氏も今回の総裁選挙には真剣に臨んでいる。
候補者本人には気の毒だが、私は大変いいことだと考えている。
切磋琢磨。
石を磨いて玉にする作業が、私たちの目の前で行われている。
自分の体力の限界まで、努力することを強いられている。
いつ、だれが、どこで音を上げるか。
もう、勘弁してー。
そんな悲鳴がそろそろ聞こえてきてもおかしくない頃だが、皆、よく耐えている。
昨夜新潟から東京に戻り、今朝はもう北海道に飛んでいる。
今日は、札幌と釧路の2箇所で街頭演説会が予定されているようだ。
明日は、テレビ局への出演を含め、東京で様々なイベントが予定されている。
こんな過酷なレースが、出来レースであるはずがない。
出来レースは、はじめから勝利者が決まっており、勝利者は適当に力を抜くことが出来るように仕組まれているもの。
今回の総裁選挙は、はじめから最後まで手を抜くこと、気を抜くことが許されないようになっている。
さて、皆さんは、何をもって出来レースと酷評されるのか。
出来レースにわざわざ名乗りを上げてピエロを演じるほど、政治家は愚かではない。
私は、そう思っている。