なぜこんなことが可能になったのか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

なぜこんなことが可能になったのか。


少なくとも5人の候補者が自民党の総裁選挙に立候補することになった。




5人の中でいわゆる派閥の領袖と言われる候補者は麻生太郎幹事長一人。


やっと20人のグループの長だから、とても旧来の派閥の領袖と同視することはできず、せいぜい仲良しクラブのボスという程度。




与謝野馨氏は自民党きっての政策マンであるが、無派閥であることは周知のとおり。


石破茂氏は津島派に所属しているが、派閥のオーナーではなく、派閥の中での順位も決して高くないと言われている。


石原伸晃氏は山崎派に所属しているが、無所属だったのが、最近山崎派のメンバーになっただけで、もともと派閥への所属意識は希薄だ。




まだ立候補を正式に表明していない小池百合子氏は自民党に入党してまだ6年の新参者で、町村派に所属しているが、町村派で代表として担ぎ上げるようなポジションにいるわけではなく、小泉純一郎総理が抜擢しなければとても自民党の表舞台で活躍出来るような経歴の持ち主ではない。




自分の単独の力ではとても総裁選挙に立候補出来るような条件にないような人が総裁に名乗りを上げることが出来るのは、政治の世界が大きく変わった証拠である。




出たい人はどうぞ、などと茶化しているが、これらの人たちはそんな軽薄な思いで名乗りを上げているわけではない。


これらの人をどうしても担ぎ上げたい人たちがそれぞれ20人以上自民党の中にいる、という証拠である。


出たい人よりも出したい人を。


私たちは、長年そう思ってきた。




今は、出したい人がこんなに多くなった、ということである。


なぜこんなことが可能になったか。


小泉改革の成果である。




かつての派閥の機能が変質し、かつての派閥は、同好会、仲良しクラブ、政策研究団体、せいぜい選挙の際の互助組織になったということである。


一部では今でも所属議員に対する金銭的な支援があるが、だいたいは党から交付される交付金や派閥単位の政治資金パーティーの売上金を配分している。




大きな派閥は幹部の拠出金で派閥の運営費を賄っている。


独自の派閥事務所を構えればそれだけ経費がかかるが、皆それほど資金が潤沢ではない。


派閥の会合を党本部で開催し、昼食はいつもカレー、ということになるのは、その端的な表れ。




小泉総理が閣僚の選任に当たって派閥の推薦は一切受け付けない、という方針を貫いたため、派閥の領袖のご機嫌を窺う、派閥の領袖の方針に無批判に追従する、などということもなくなった。


派閥の領袖が示す方針とは異なった行動をしても殆ど不利益がない、かえって反骨だと評価され、世間の評判がいい、などということになれば、ますます旧来の派閥の機能は失われてくる。




政策本意、人物本位でリーダーを選ばなければならない。


そういう危機感が自民党の中に拡がった証拠である。




保守の政治がこれで大きく変質し、流動化するが、新しいものを作り上げるためには、どうしても通らなければならない道である。


自民党をぶっ壊す。


そう雄叫びを上げた小泉総理の言葉が、今実現している。




古い自民党を壊して、新しい自民党を作る。


古い政治体質を一掃して、新しい政治の流れを作る。


こんな風にして日本の革命は、日々進んでいるのである。




静かなる革命をさらに進めるために、私は、今回の総裁選挙でもっとも非力な小池百合子氏を応援することにした。