パンドラの箱を開けて飛び出すのは、様々な災厄で、箱の底に残るのが希望、というのが通り相場であるが、今回はどうも様相が違う。
二度目の総理の任期途中での突然の辞意表明で、とうとうパンドラの箱に手をかけたか、と思ったが、これまでグズグズと模様眺めを繰り返していた人たちが一斉に動き始めた。
既に麻生幹事長が総裁選挙に名乗りを上げていたが、昨日は経済産業大臣の与謝野馨氏が正式に出馬の意志を表明し、改革加速議連の棚橋泰文氏も出馬の意向を表明した。
今日は、元国土交通大臣で元政調会長の石原伸晃氏と参議院議員の山本一太氏も出馬の記者会見をしたようだ。
段々役者が揃ってきている。
女性の国会議員の中からは、元環境大臣の小池百合子氏の名前が上がっている。
これで、前防衛大臣の石破茂氏や元文部大臣の小坂憲次氏、さらには前政調会長で現在国土交通大臣の谷垣禎一氏が名乗りを上げれば、現時点で考えられるベストメンバーが揃うことになる。
(もっとも、これらの人以外にも自民党の総裁に担ぎ上げるに相応しい人も何人かいる。ベストというのは、あくまで社交辞令と考えて頂きたい。)
派閥の合従連衡で総裁を選ぶ、というかつての自民党の歴史は、今回で決定的に終わりを告げることになる。
出たい人は自ら名乗りを上げ、それぞれが国民に向けて直接訴えかける。
そういう時代に突入した。
派閥の代表として総裁選に立候補しようとしても、派閥を超えた広範な支持が得られそうになければ、派閥自体からも推薦されない。
国民の支持を受けられない人は、その時点で政治生命が終わる。
しかし、たとえ総裁選挙で敗れても、一定の国民の支持が得られれば、治の世界での敗者にはならない。
そういう風に、時代が変わった。
逆境の中に取り残されていたパンドラの箱の中には、希望という名の宝物がぎっしりと詰まっていた・・・・・。
そういうことになると、ありがたい。