人権調査会に物申す | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

おはようございます。

朝の美味しい空気を胸いっぱい吸って、今日も一日楽しく頑張りましょう。


人権調査会が明日開催されることになりました。

会期末の忙しい時になぜこんな議論が紛糾するような会議を設営するのだろうか、と不思議でなりませんが、太田調査会長の執念がこんなにも強い、ということを改めて痛感させられます。


この通常国会で、太田私案にあった新しい人権救済法案の骨格を作り上げる時間はなくなりました。

おそらくこれまでの議論を整理し、法案策定の方向性を協議するだけに止まることになろうと思います。


一つの方向性は、国家権力、公権力の行使に伴う人権救済機構の構築です。

法務省の人権擁護局は、政府の機関による人権侵害事犯に対して有効に対処できておりません。

人権擁護局の活動を法務省設置法に根拠付けるだけでなく、一般法の形でオーソライズする、ということが検討されるかも知れません。


政府部内でこれまで余り重きを置かれることなく、表舞台には殆ど登場できなかった人権擁護局が、政府の他の機関に対して法に基づく助言・勧告権限を持つことになる、ということになれば、日本の人権行政がガラッと趣を変えることになります。


私は、こういう改正だったら賛成したいと思っております。


ただ、太田調査会長は、まだ人権委員会構想に執着しているようです。


第三者機関としての委員会を立ち上げなければならない。

いわゆる3条委員会であれ、8条委員会であれ、政府の機関から独立した、自律性のある独立の機構にしなければならない。

そういう信念を持っているようです。


理念的には正しいのですが、その第三者委員会が自ら人権救済事案の調査や助言、勧告、さらには紛争解決の斡旋や仲裁、訴訟援助、訴訟提起など、広範な業務を行う、というところに問題が生じます。

特に、公権力による人権侵害事犯以外の事件にも介入できる、あるいは、介入しなければならない、ということになれば、大変な結果になってしまいます。


第三者委員会の職務遂行を実効あらしめるためには、委員会に強制力のある調査権限や勧告権限を付与しなければならない、という発想に傾くのは当然でしょう。

まさに経済取引活動の番人としての公正取引委員会、のような機構を作ろうということになります。


公正取引委員会が司法と立法と行政のすべての機能を担う存在になっていることは、ご承知だと思います。

経済憲法といわれる独占禁止法と公正取引委員会のように、人権憲法としての人権救済法と人権委員会、そんな感じになってしまいます。


大変な行政の肥大化に繋がります。

しかも、司法ファッショ、人権ファッショといわれるような事態を招きかねません。

私は、そのことを危惧しております。


これだけは阻止しなければならない、と思っております。

自民党の中でさえ大変な議論を巻き起こす構想です。

出直すべきだと思います。

本当に必要な人権救済のための新たなシステムを構築する、その原点に立ち戻るべきです。


そうすればこれまで自民党の中で積み重ねられてきた議論の成果を活かす道が開けてくる、と思います。

そのときには、私も新しい人権救済システム構想作りに参画させて頂きたい、と念願しております。

残念ながら明日の人権調査会には私は出席できないかもしれませんので、このブログで私の意見を開陳させていただきます。


皆さん、しっかりご自分の意見を述べて下さい。

期待しております。




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