改めて皆さんに感謝したい。
多くの皆さんから沢山の前向きな意見を頂戴した。
よく読んでいただくと、自ずからこれから一人一人がどうしたらいいのか、が分かるはずである。
多くの意見の中で、常に冷静にコメントを寄せられた方がいる。
日本とアメリカの法の規定振りの違いを具体的に示してくれた方がいる。
アメリカやイギリスで単純所持禁止規定を導入したため、多くの人が摘発の対象となり、自殺者まで出した、という事実を指摘された方もいる。
多くの人が児童ポルノの単純所持禁止に懸念を表明されている。
私も、いわゆる一般の善良な市民が取り締まりの対象となりかねないような粗雑な議員立法には身体を張ってでも反対したいと思っている。
そのために単純所持だけでは犯罪行為として捜査の対象にならないよう、構成要件を厳格化することを提案した。
法律の専門家でないと、単なる「所持」と「取得して所持」、「製造して所持」の違いが分からないかも知れないが、構成要件をこういう風に絞れば、いつ、どこで、誰から譲り受けたのか、いつ、どこで製造したのかについて証拠を集めない限り、警察は強制捜査が出来ないことになる。
単なる「所持」は自分の占有下にある、という状態であり、そこにある、というだけで外形的には所持とみなされる可能性が高い。
「自己の性的欲望を満たす目的で、所持」という風に、目的犯にしても、「自己の性的欲望を満たす目的」という主観的要件をどのような事実で立証するのか、という問題が残る。
これがルーズに運用されれば、わざわざ目的犯にした意味がなくなる。
警察がこういった事件の第一次的捜査にあたることが、通常だろう。
そうすると、警察の判断次第ということになりかねない。
取締りの現場で水掛け論をしても、警察官にかなう訳がない。
強制捜査に抵抗して公務執行妨害だ、などと別の罪名で逮捕されるようなことになってはならない。
だから、現場の警察官にも分かりやすい法律にしなければならない。
特に、これまでは犯罪ではなかった行為を犯罪として新たに取締りの対象としようとするのだから、構成要件は誰にも分かりやすく、しかも法の趣旨を逸脱した適用がなされないよう、十分の配慮が求められる。
既に与党案が国会に提出されているが、これはあくまで国会での十分な審議を前提にしての、政治的な妥協の産物である。
そのことについては十分述べてきたつもりである。
私は与党案がそのまま何らの修正もされないで成立する、などとはまったく考えていない。
仮に私が法務委員会の理事を辞めても、誰かが問題点を指摘するはずである。
幸い自民党には弁護士出身の国会議員が増えてきている。
私が指摘した程度のことは直ちに了解されるはずである。
多くの意見の中で、ポイントを衝いた凄い意見があった。
こういう意見を世間に要領よく拡げていくこと、これが皆さんのこれからの仕事ではなかろうか。
特に民主党の国会議員の役割がこれから大事になる。
ただただ政局にするために、根拠が乏しい問責決議を出したり、審議拒否に入った民主党には余り期待できないが、それでもどこかで理性が働くことを期待する。