日本の危機/マスコミの報道が日本の安全保障を危険に晒す | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

今度は、防衛省の番か。

そう思わざるを得ないようなマスコミの攻撃の嵐である。


さすがの石破防衛大臣も顔をゆがめながら、苦しい答弁をせざるを得ない。

なんとか凌いでいただきたい。

そう願わざるを得ない。


マスコミは、防衛省の幹部や大臣が海上保安庁に無断で航海長から事情聴取したことが如何にも重大な手続ミスである、と非難する。

「あたご」の乗組員が漁船の灯火を目視した時刻が衝突事故の12分前であったことが判明したのに、直ちにこれをマスコミに公表しなかったことが如何にも重大な情報隠しであったかのように報道する。


本当にそうか。


事は、国の安全保障に関することである。

国の安全保障を掌る防衛省としては、今回の海難事故がイージス艦の性能に起因する事故であるのか、それとも単なる乗組員による人為的事故なのかを判断するための材料ぐらいは直ちに入手しておかなければならない。


なにも第三者の事情聴取をしたというのではない。

あくまで自分の指揮下にある部下から事情聴取をしただけである。

海上保安庁が海難事故の捜査にあたるからといって、部下からの事情聴取が禁止されているわけではない。


日本のイージス艦が十分の機能を発揮することを前提に、現在の日米安全保障体制が構築されていたはずではなかったか。

万一今回の事故がイージス艦の機能の欠陥を示すものであったとしたら、防衛省としてどう対処すべきであったか。

日米の安全保障体制に穴が開いている、という認識の下に、まずは穴を塞ぐための緊急、代替措置を講じることになるのではないか。


そのために必要な情報の収集や点検、そして国家機密に該当する情報の保護を図るのは、当然ではないか。


もっとも優先すべきは、国の安全保障であり、被害に遭われた漁船の乗組員の救出である。

そのために、貴方たちは最善の努力を尽くしているではないか。

貴方たちが、日本の防衛の責任を担っているのだ。

そのことに自信を持っていただきたい。

そのことにプライドを持っていただきたい。


カメラやペンを持って関係者を追い掛け回している報道陣は、ニュースを追っているだけで、国の安全保障には絶対に責任を取ることはない。

中途半端な弁明で窮地に追い込まれてしまった防衛省だが、私は、あえて防衛省や防衛大臣の擁護に回りたい。


国の安全保障を掌る防衛大臣や防衛省の幹部が、緊急事態、非常事態に備えて、まず自分の配下にある航海長から事情聴取をして、何が悪いのか。