小泉、武部、竹中は、これから何をするのか/若者を駆り立てた者の責任 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

小泉純一郎元総理は、人生には上り坂と下り坂、そしてまさか、がある、と述べた。


実に簡潔に私たちが置かれている状況を表現しているが、今となっては、ずいぶん冷たい表現だな、と思えてくる。

それが分かっていたら、なんでもっと早く皆に心の準備をさせなかったんだろう。


打つべき手を打たないで、為すがままにしていたから、こんな状況になったのではないか。

小泉さんのあの改革の熱に浮かされて政治の世界に飛び込んだ若者が、こんなにも苦しみ、もがいているのに、それはないでしょう、と、言いたくなってきた。


まだ、選挙区が決まっていない若い議員がいる。

公募候補として比例区の上位にすえられ、軽々と当選を果たした議員や、ほとんど数合わせのように名前だけ出して、本人も周りの人もまさか当選するなどとは予想もしていなかったような議員もいる。

しかし、それぞれが自分の人生を懸けてこの世界に飛び込んできたのだ。


上り坂、下り坂、まさかの坂、などと、気楽に言われては困るのだ。


自分の生活基盤が確立していず、独り立ちできるだけの実力をまだ持っていない若い人が、いきなり国会議員として日本の最高の舞台に踊り出る、というのは、実は大変なことである。


幸運に恵まれ、そのまま順調に育っていけばよい。

しかし、今の状況では、ほとんどの若い議員は、もう一度最初から人生をやり直さなければならないような岐路に立っている。


こういう人が国会議員の身分を失って、さて何ができるだろうか。

それを考えると、有為の人材を政治の世界に誘ったものの責任は大きい。

小泉さんは、こういう若い人の、春秋に富んだ大事な「とき」を奪った責任がある。


武部元幹事長がこういう若い人のために「夢作り道場」を立ち上げ、「新しい風」という若手議員のためのグループを作ったのは、せめての救いだが、これだけでは足りない。

もっと、あの時の夢を掻き立てるような、若い政治家がもう一度自分を燃え尽くさせることが出来るような、新しいテーマが必要である。


改革の旗頭の竹中平蔵が政界を去ったのが、今となっては悔やまれる。


今は、ごく一部の人を除いて、できるだけ衆議院の解散総選挙を先延ばしにし、国会議員としての最低限の責任だけ果たすことを考え始めている。


(共産党も社民党も、公明党もこの点は同じだろう。

民主党の現職だって、基本的には同じだと思う。

選挙を本当に望んでいるのは、これから政治の世界に飛び込もうとしている、野心満々の、その実力も志の高さも将来性も未知数の新人、すなわち素人ばかり、ということになる。

選挙の結果、日本はどうなってしまうか、心配だ。)


小沢一郎民主党代表も、相変わらず、次の総選挙で野党が過半数を獲得し、政権交代を実現するのだ、とだけ叫んでいる。

それまで民主党は国民に対してどう責任を果たしていくのか、万一政権交が実現した後、日本の政治はどういう道筋を辿っていくのか、本当に、民主党には政権担当能力があると信じているのか、などということには、ほとんど言及していない。


皆が、わが国が直面している本当の課題から逃げ、解決の責任を引き受けることから尻込みし始めているようだ。

改革の志が萎えはじめている、ということは誰の目にも明らかだ。


この参議院選挙が全てだったのかと、胃が痛くなる。

臍を噛む、というのは、まさにこういうときに使う言葉か。

第2の、小泉、武部、竹中、出でよ。