政治を動かす要諦/法人会の政治に対する期待にどう応えるか | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

朝霞法人会志木支部の総会・懇親会に出席。


今週中に参議院議員選挙の公約に盛り込むべき事項を提出するよう政調会長から指示があったとのことで、本会議の後、急の国土交通部会の正副部会長会議や経済関係合同会議が開催された。どうしても地元の会合には遅れて出席するしかない。


法人会はこれまで税務署に頭が上がらず、政治に対する自分たちの要望を述べることもなかったが、これからはものを言う団体になる、と朝霞法人会会長から力強い挨拶があった。


当然のことだと思う。

タックスペイヤーこそがこの国の主人公にならなければならない。企業活動の安定的発展あってこそ、この国は存続することができる。経済基盤が安定していなければ、国民生活の安定もない。


法人会がそのことに気がついた意味は大きい。


自民党は、参議院選挙の公約の取り纏めを急いでいるが、これが来年度の予算編成の基本方針である骨太の内容になるということで、各部会とも動きが慌しい。

それまでの各種団体ヒヤリングを通じてあった様々な要望や国会議員の意見が、この瞬間に集約される。

各省が検討を進めてきた様々な新規事業が自民党の政策に具体的に反映されるかは、それぞれの部会の幹部会の議論で決まる。


だから、与党である自民党の国会議員との連携を密にしなければならない。

と、説くが、法人会に出席している会員の反応は、いまひとつ。


陳情と、選挙の応援は別だ、と割り切っている様子。

自民党の組織が弱体化している背景には、こういった企業経営者の経営マインドの変質があるように思われる。


簡単なことだが、本当のことを一般の国民が理解するようになるには、相当時間がかかりそうだ。


正直、私自身国会議員になるまで、国の政策決定がどんなプロセスでなされているか、良く分からなかった。


自民党の国土交通部会や経済産業部会に出席を続けているうちに、ようやく見えるようになっただけ。マスコミからしか情報が入らない一般の国民には、分かる筈もない。

繰り返し繰り返し本当のことを伝えていくしか方法はないだろう、と思っている。


法人会は、年末に向けて国会に要望を陳情する構えのようである。

数を頼んで国会議員に圧力をかければ、なんとか自分たちの要望が通るはずだと思い込んでおられる様子。


実は、通常国会が開会され、予算が衆議院を通過した3月はじめから骨太方針が出来上がる6月末までが、翌年度の財政運営の基本方針を決定する最も大事な時期なのである。国の重点施策に何を織り込むか、のバトルが繰り広げられるのは、まさにこの時期。この時期を外してしまえば、後の祭り。


毎年10月ころから12月にかけて様々な団体の陳情活動が行われているが、実は遅すぎるのである。


法人会の要望は、基本的に私たちの考えと同一線上にある。

だから、積極的にお役に立ちたいが、時期外れ、ポイント外れでは役に立ちようがない。


少しは分かっていただけただろうか。