何を優先すべきか・6ヶ国協議の成果と今後の課題 | 早川忠孝の一念発起・日々新たなり 通称「早川学校」

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弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。

2月8日から開催されていた6ヶ国協議が13日、「共同声明の実施のための初期段階の措置」という文書を採択して終了した。

北朝鮮が核放棄に向けた具体的措置を約束し、核の現実の脅威が希薄化したこと、日朝国交正常化交渉が6ヶ国協議の中で正式に位置づけられ、国際的枠組みの中で一定のスケジュールに基づいて進められることになったことを正しく受け止めれば、今回の6ヶ国協議は大きな成果をあげたと言える。


北朝鮮によって拉致された日本人の救出が具体的に進まないことに対する苛立ちの声も聞こえてくる。しかし、拉致問題を含む日朝関係に進展が見られるまで、わが国として北朝鮮に対する経済、エネルギー及び人道支援の供与には参加しないことが確認されており、拉致問題の解決なくして支援なしの原則が関係国の理解となっていることは、拉致問題に対するこれまでのわが国の懸命な外交の成果であると評価して良いのではないか。


次回の6ヶ国協議は3月19日に開催されることになっており、日朝国交正常化のための作業部会も30日以内に開催されることになっているが、北朝鮮の核の脅威を取り除き、拉致問題を解決することは、わが国にとって最大の政治課題である。


今日の予算委員会で民主党の馬渕議員が参議院の厚生労働委員会に出席中の柳澤厚生労働大臣が衆議院の予算委員会に出席していないといって予算委員会の審議を拒否し、委員会が空転したと聞いているが、こんなことでは国会議員に対する国民の信頼がますます下がるだけである。


そもそも衆議院と参議院で同じような質疑を繰り返していることが問題である。

衆議院と参議院で大臣の取り合いをしている、などということを国民が知ったら、参議院か衆議院を廃止して一院制にしたらどうか、と言われてしまうのではないか。


こんな事態にならないように衆議院と参議院の両国対委員会の間で委員会開催のスケジュール等について事前に調整していたはずであり、馬渕議員は民主党の参議院の国対委員の調整を無視して、自分だけの思いつきで予算委員会の審議を中断させたのではないか。


予算委員会での質疑が平板で、軽すぎることも問題である。

政治資金収支報告書の事務所費の記載問題をいつまでも取り上げても、日本が直面している様々な課題に対する解決策を見出すことにはならない。骨太で、さすがと思わせるような質疑を今後期待したい。