HCU2日目の朝、相変わらず痛みの中を漂うだけだが、10時には一般病棟に戻ると看護師さんが言っている。
「マジかよ、こんな状態で戻れるわけないじゃん」と頭の中では思うが、話をする気力もなく、ただされるがまま。

そんな時、隣のベッドで撮影が始まった。なんの撮影かと思ったらポータブルのレントゲン撮影だった。
HCUの患者さんを片っ端からレントゲン撮影していくらしい。
自分の番になり、技師さんが「背中に板を入れるから背中を持ち上げて」と言うが、やはり力が入らず、体を持ち上げてもらって板を入れてもらう。
体を持ち上げてもらうのは申し訳ないが、それよりなにより胸が痛い。
そうして、「撮ります」と技師さんが言って、カシャと一枚撮ったが、カテーテルが体に絡まっていて患部がうまく撮れなかったらしくもう一枚撮ることになった。

(ちなみに、隣のベッドには70歳くらいのおじいさんが寝ていたのだが、手術をした後なのに、私と違ってホイホイ体を動かしていて、すごく負けた感じがした。私の方が若いのに、なぜこんなにヘロヘロなのだろうかと不思議に感じていた。)


その後はもうモニターの必要がないからということで、動脈に入っていた血圧測定用の針を抜き、同じく左手の点滴用の静脈の針を抜いてもらった。
ちょうど8時50分くらいだった。
先生が動脈用の抜針後のカバー用テープをきつく巻いていって、そこに「8時50分 2時間以内に取る」とバッチリ書いてあったので時計がない中でも分かりやすかった。

9時になるとHCUからの出発の準備が始まる。
具体的には清拭というやつのようだが、痛い体をベッドの上で起こしてもらい、体を拭いてもらうことになる。
しかし、私は迷走神経反射持ちのため、体を起こした途端にまたも冷や汗が噴き出してきた。
慌てて、看護師さんに伝えたところ、「ではどうすれば、迷走神経反射は良くなりますか?」と逆に聞かれたので、1度目の看護師さんがしてくれたように、「上体を寝かせれば治ります」と伝える。

清拭は看護師2人1組で行うようで、1人の看護師さんがもう1人の看護師さんに、「じゃあ寝たままやりますか?」と聞いて、「しょうがないね」、ともう1人が答えて、寝たまま清拭を行うことになった。
「しょうがないね」と答えた看護師さんの嫌そうな雰囲気からすると、寝たままの清拭は面倒なのだろう。
申し訳ないな、と思いながら清拭は進んでいく。

確かに、寝ながらの清拭は面倒くさそうだった。
患者の体がベッドに寝たまま、ベッドに接した背中やお尻などを拭くのだから、手間と負担がかかる。
少し時間が経てば迷走神経反射も治まるが、落ち着くのに30分くらいは掛かるので、看護師さんも待っていられない。
そんなわけで寝たまま清拭は進められ、上体が起きていれば痛くもない上着の着替えなども、ドタバタと体位変換の痛みを伴いながら進んでいった。

清拭が終わる前に尿管カテーテルの抜去をする必要があり、尿管カテーテル抜去が行われたが、これは事前に聞いていた通り少し気持ちが悪かった。
けれど、昔罹った腎盂炎の時のおしっこに比べるとそれほど痛いものではなく、まぁ、少し違和感がある程度のものだった。
尿管カテーテルを入れていた時は、なんか凄く膀胱におしっこが溜まってる感じがして、気持ちが悪かった。
看護師さんに3度ほど「ちゃんとおしっこはでてますか?」と確認するくらい、膀胱におしっこが溜まってるような感覚があった。

清拭の仕上げに髪の毛を少し洗って(流して)もらった気もするが、よく覚えていない。
清拭の間は痛みと目眩を堪えるために、目を瞑りひたすら歯を食いしばっていたので、視覚情報は一切入ってこなかった。
でも、なんか頭がスッキリした気はするので、頭も軽く洗ってくれたのではないだろうか。