最近、ライブに持ち出す頻度の高いギター(アコギ)は、廉価版の YAMAHA FS3 と Martin 00-X2E です(数万円で購入)。今日は時間があったので、EJ26(D'Addario)を張った YAMAHA FS3 と Martin 00-X2E との生音を比較してみました。高音域は「ジャリンとした音」も含め、どちらもきれいに出ているように思います。一方で、低音域はFS3の方が野太く感じます。全体の音量も、FS3の方が大きい気がします。

 と言うわけで、スペクトルによる音の比較を試みました。立派な測定装置を持ってるわけではありません。古いSONYのICレコーダーに安価なステレオマイク(Audiotechnica, ECM?)を繋いで使います。それぞれのギターで、「GとE」および「GとEmとAm」のローコード・アルペジオを数回ずつ弾き、録音します(→ mp3)。これを、Audacity(フリー・ソフト)でスペクトル化して、FS3と00-X2Eを比較して見ました。もちろん、完全に同じように弾けているとは思えませんし、絶対値も意味を持ちませんが、スペクトル形状の比較ならまあ良いかな、と言うノリでやって見ました。

 

(アルペジオG → アルペジオE)x 数回

 

(アルペジオG → アルペジオEm → アルペジオAm)x 数回

 

 「GとE」のアルペジオと「GとEmとAm」のアルペジオで同じような傾向が見えました。(ここで同じ傾向が出たので、他のコードでの比較はやってません。)

 ローコードの5, 6弦の領域(100Hz付近)は、Martin 00-X2E より YAMAHA FS3 の方がしっかり出ているように見え、聞いた感じの通りです。ボディの大きさが、FS3 の方が若干大きいのと、バック/サイドが FS3はマホガニー単板なのに対して、00-X2Eは HPL / High Pressure Laminate であることが影響 しているのかも知れません。むしろ FS3の低音が、このサイズでは頑張っているのでしょうか。

 倍音領域(数百Hz以上)は、形こそ違いますが、どちらもしっかり出ているようです。どちらのギターも、「ジャリンとしたフォスファー・ブロンズの音」も含め、高音域がきれいに出ている感じがしていましたので、それと矛盾しないようです。単板トップの面目躍如でしょう。

 低音が弱い 00-X2Eですが、こいつのメリットは FS3より小ぶりで取り回しが楽なことです。バック/サイドのHPLは強度があると言うことで、これも「お出かけ」には安心感があります。

 ライブでは、どちらのギターもサウンドホール・マグネティック・ピックアップを搭載して、ポール・ピースで弦間の音量バランスをとってますので、生音では低音の弱い00-X2Eでもラインの音は全く問題ありません。FS3 も 00-X2E も弦長や1-6弦間隔が良く似ているので、持ち替えに違和感がありません。廉価版ながらチューニングも安定しています。最近はすっかりこの廉価版ギター2本のお世話になっています。

FS3 vs. 00-X2E