ある日のなんとなく寝付けない夜…
ふと、思い出している…
家が薬屋だから…だから昔ながらの町の薬屋をやろうと思った。
そう、大学卒業した時…
自分は…今のこの薬屋家業をしていると考えていただろうか…
漠然とした…ほんと…あの時…薬屋はこんなことできるんだ!こんなやり方があるんだ!と…脳裏に刻み込まれたあの面接の日。
不思議だった。
師匠は…(後に自分の人生の師匠…そう思えた方)…会ってすぐに「明日からおいで!」とすんなり…ホント!え?っと思えるくらいだった。
今思えば…
師匠は…あの時、もうわかってたんだろうか?
あの事が起きることを…
それから始まった薬屋の仕事。(実家のとは違い、なんか別の“家”にきた変な感じだった。)
それから通常の薬屋の仕事。
ま、普通に風邪薬や、栄養剤などを販売して…時にいらっしゃる相談のやり方などを邪魔にならなように少し離れたところから見て学ぶという感じ。
背中を見て学べ!っと昭和生まれだからかなんとなくそんな感じだった。
時に師匠はそんな相談の内容への様々な対処法を教えてくれた。
「あ、こんな考え方があるんだ!」と日々が楽しかった。
同期のものは、調剤薬局だの病院勤務だのと、やっぱり普通はそんな道に進むのが当たり前だろう。
でも、自分には町の薬屋のおっちゃんが性に合ってた。
というか、そんな人生へのイメージが根付いていた。
わからないだろうなぁ。
きっと、わからないだろうなぁ。
そんな師匠とのやりとりのなかで、どんどんモノにしていってやろう!そう意気込んでた…
自分がこんなに薬屋へのビジョンがはっきりと見えたのはその時が初めてだった。
そう、そんな日がこれからいつまで続くだろう。
いや、いつまで教えてもらえるだろうかという気持ちでいっぱいだった。
…続く…
(薬屋のおっちゃんの記憶の掘り返し)